米財務長官、暗号資産規制に反対する業界を「ニヒリスト」と痛烈批判
ベセント財務長官が暗号資産業界の規制反対派を厳しく批判。「規制を望まないなら エルサルバドルに移住すべき」と発言。デジタル資産市場明確化法案の行方は?
「規制を望まないなら、エルサルバドルに移住すべきだ」
スコット・ベセント米財務長官が上院銀行委員会で放った一言が、暗号資産業界に衝撃を与えている。2月5日の公聴会で、長年待たれているデジタル資産市場明確化法案に反対する業界関係者を「ニヒリスト集団」と痛烈に批判したのだ。
業界内の深刻な分裂が表面化
ベセント長官の怒りの矛先は、法案交渉で抵抗を続ける暗号資産業界の一部勢力に向けられた。「業界には、この非常に良い規制よりも無規制を好むニヒリスト集団が存在するようだ」との発言に、民主党のマーク・ワーナー上院議員も「その通りだ、兄弟」と同調する場面もあった。
特に注目されるのは、コインベースのブライアン・アームストロングCEOが先月、法案への支持を撤回したことだ。分散型金融(DeFi)規制、ステーブルコイン利回り報酬、トークンの証券としての定義などの条項に懸念を示したことが、法案の推進に大きな影響を与えている。
ワーナー議員は「私は暗号資産地獄にいるような気分だ」と率直に心境を吐露し、会場の笑いを誘った。しかし、その背後には国家安全保障上の懸念と技術的な複雑さが絡み合う、深刻な現実がある。
日本の金融業界への波及効果
米国の暗号資産規制の行方は、日本の金融機関にとっても無関係ではない。みずほフィナンシャルグループや三菱UFJフィナンシャル・グループなど、米国市場でビジネスを展開する日本の金融機関は、規制の不透明さが続けば投資戦略の見直しを迫られる可能性がある。
日本は既に2017年から暗号資産の法的枠組みを整備し、世界でも先進的な規制環境を構築してきた。金融庁による厳格な監督の下、安定した市場運営が行われている日本と、いまだ規制の基盤が定まらない米国との対比は鮮明だ。
ステーブルコインを巡る攻防
ベセント長官は、以前に可決されたGENIUS法(米国ステーブルコイン発行業者規制法)のバランスの良さを評価し、明確化法案でも同様のアプローチが可能だと述べた。しかし、ステーブルコイン利回りや銀行業界と暗号資産業界のロビー活動の対立により、法案の進展は停滞している。
「この法案なしには前進は不可能だ」とベセント長官は強調した。米国の暗号資産業界が世界的な競争力を維持するためには、明確なルール作りが急務となっている。
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