田んぼが発電所に:出光興産の「農業×太陽光」が描く日本の未来
出光興産が九州の水田に太陽光発電設備を設置。限られた土地で農業と発電を両立する「営農型太陽光発電」が、日本の再生可能エネルギー50%目標達成の鍵となるか。
九州の小さな水田で、稲穂の上に設置された太陽光パネルが静かに回転している。出光興産が2月20日に公開したこの光景は、日本のエネルギー政策に新たな可能性を示している。
石油会社として知られる出光興産が、なぜ水田に太陽光発電設備を設置したのか。答えは日本が直面する深刻な課題にある。政府は2030年までに電力の50%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げているが、従来型の大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設適地は急速に減少している。
「営農型太陽光発電」という解決策
出光興産が採用したのは「営農型太陽光発電(アグリボルタイクス)」と呼ばれる手法だ。同じ土地で農業と発電を同時に行う仕組みで、太陽光パネルを高い位置に設置し、その下で作物を栽培する。
日本の農地面積は約440万ヘクタールに及ぶ。仮にその1%で営農型太陽光発電を導入すれば、理論上は4.4万ヘクタールの発電用地を確保できる計算になる。これは従来のメガソーラー建設で直面していた「土地不足」という根本的な課題を解決する可能性を秘めている。
農家にとってもメリットは大きい。太陽光発電による売電収入が得られるほか、パネルによる適度な遮光効果で夏場の高温ストレスを軽減し、一部の作物では収穫量の向上も期待できる。高齢化と後継者不足に悩む日本の農業界にとって、新たな収入源の確保は切実な課題だった。
課題も山積み
しかし、営農型太陽光発電の普及には課題も多い。まず、初期投資コストが高額で、一般的な農家が単独で導入するには負担が重い。また、農地法や電気事業法など複数の法規制をクリアする必要があり、手続きの複雑さも普及の妨げとなっている。
技術面でも課題は残る。作物の種類や地域の気候条件によって最適なパネルの設置高度や角度が異なるため、画一的な導入は困難だ。さらに、長期間にわたって農業と発電の両立を維持するためのメンテナンス体制も整備する必要がある。
農業関係者からは「農地の本来の目的である食料生産がおろそかになるのではないか」という懸念の声も上がる。実際、パネルの設置により日照条件が変化し、従来通りの収穫量を維持できない可能性もある。
エネルギー政策の転換点
出光興産の取り組みは、日本のエネルギー政策における重要な転換点を示している。同社は石油精製・販売を主力事業としてきたが、カーボンニュートラル社会の実現に向けて事業構造の転換を進めている。太陽光発電事業への参入は、その象徴的な動きといえる。
政府も営農型太陽光発電の普及を後押ししている。農林水産省は2022年から営農型太陽光発電の導入支援事業を開始し、初期投資の一部を補助する制度を設けた。また、農地転用の手続きを簡素化する制度改正も検討されている。
海外では既に営農型太陽光発電の導入が進んでいる。ドイツでは2020年時点で約2,800件の営農型太陽光発電設備が稼働しており、中国でも急速に普及が進んでいる。日本も遅れを取り戻すべく、官民一体となった取り組みが求められている。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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