暗号資産プラットフォームNexo、3年ぶりに米国市場復帰
規制問題で2022年に撤退したNexoが、トランプ政権の暗号資産友好政策を背景に米国市場に復帰。110億ドルの運用資産を武器に本格展開へ。
規制の嵐から逃れるように米国市場を去った企業が、政治の風向きが変わった瞬間に戻ってくる。これは単なるビジネス判断なのか、それとも暗号資産業界全体の転換点を示すシグナルなのか。
撤退から復帰へ:Nexoの3年間
暗号資産ウェルスプラットフォームNexoが、2026年2月16日に米国市場への本格復帰を発表した。同社は2022年末、州・連邦規制当局との交渉が「行き詰まり」に陥ったとして、米国市場から撤退していた。
撤退の直接的な原因は、同社の「Earn Interest Product」をめぐる規制当局との対立だった。カリフォルニア州やニューヨーク州からの執行措置を含む複数の規制圧力により、同社は当時「不可能な環境」での事業継続を断念せざるを得なかった。
しかし復帰を果たした現在、Nexoは110億ドルの運用資産を擁する。同社は米国ベースのBakktとの提携により、規制準拠フレームワーク内でのサービス展開を実現したと説明している。
トランプ効果か、市場成熟か
Nexoの復帰タイミングは偶然ではない。同社共同創設者Antoni TrenchevがDonald Trump Jr.と握手する写真を公開するなど、トランプ政権の暗号資産友好政策への期待を隠していない。
復帰に合わせて展開されるサービスは包括的だ。固定・変動利回りプログラム、統合型暗号資産取引所、暗号資産担保クレジットライン、そしてACHや電信送金による法定通貨の入出金機能まで、フルサービスの金融プラットフォームとしての体裁を整えている。
同社は今回の復帰を「意図的な再調整期間」を経た結果だと説明し、規制市場への長期的コミットメントを示すものだとしている。グローバル展開の一環として、アルゼンチンのBuenbit買収やATP Dallas Open、Audi Revolut F1チームとのスポンサーシップ契約も発表している。
日本市場への示唆
Nexoの復帰劇は、日本の暗号資産業界にとっても重要な示唆を含んでいる。日本は世界でも最も厳格な暗号資産規制を持つ国の一つだが、同時に明確なルールの下で事業展開が可能な市場でもある。
Nexoが米国で採用した「コンプライアンス・ファースト」のアプローチは、日本市場参入を検討する海外企業にとってのモデルケースになりうる。特に、従来の金融機関との提携による規制リスクの軽減策は、日本の金融庁が推奨する方向性と一致している。
一方で、Nexoの米国復帰が成功すれば、日本企業にとっては新たな競合の出現を意味する。SBIホールディングスやマネックスグループなど、既に暗号資産事業を展開する日本企業は、グローバル競争の激化に備える必要があるだろう。
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