機関投資家が牽引するトークン化RWA、個人投資家の参入は時間の問題
BlackRockのBUIDLファンドが示すように、機関投資家主導でトークン化された実物資産市場が急成長。個人投資家の参入で数兆ドル市場が開花する可能性
BlackRockの最高執行責任者ロブ・ゴールドスタインは、デジタル台帳を「700年前の複式簿記以来、金融業界で最もエキサイティングな発展」と表現した。大げさに聞こえるかもしれないが、コンセンサス香港2026で開催されたパネルディスカッションを見る限り、この評価は決して誇張ではないようだ。
機関投資家が先行する現在の市場
現在のトークン化された実物資産(RWA)市場は、明確に機関投資家が主導している。Animoca Brandsのエヴァン・オーヤング氏、Mastercardのクリスチャン・ラウ氏、Robinhoodのニコラ・ホワイト氏らが参加したパネルで明らかになったのは、需要の中心がマネーマーケットファンド、米国債、そしてステーブルコイン統合にあるということだ。
BlackRockのBUIDLファンドやRobinhood/Bitstampの提供するコラテラル最適化商品がこのトレンドを象徴している。これらの商品は、機関投資家にとって24時間365日の流動性と効率的な担保利用を可能にする。
しかし、個人投資家の参加はまだ限定的だ。パネルで「トークン化RWAをウォレットに保有している」と手を挙げた参加者はほとんどいなかった。
次の波:個人投資家市場の開拓
パネリストたちが注目するのは、規制が明確なヨーロッパでのトークン化上場株式の展開だ。さらに、プライベートクレジット、不動産、アート、プライベートエクイティといった分野で強いポテンシャルを示している。
特に興味深いのは、企業が以前より長く非公開を維持する傾向が強まる中で、分割所有と24時間アクセスへの需要が高まっていることだ。これまで機関投資家のみがアクセスできた資産クラスに、個人投資家も参入できる道筋が見えてきている。
日本市場への影響を考えると、ソニーやトヨタといった大手企業の株式がトークン化されれば、海外投資家にとって日本株へのアクセスが劇的に改善される可能性がある。また、日本の個人投資家にとっても、これまでアクセスが困難だった海外の不動産やプライベートエクイティへの投資機会が広がるだろう。
技術から実用性への転換点
パネルの総意は明確だった:RWAは誇大宣伝から実際の有用性へと移行している。機関投資家にとって、トークン化は既に実証済みのソリューションとなっている。
次の段階は、個人投資家の本格的な参入だ。障壁が取り除かれれば、数兆ドル規模の非流動的市場が開放される可能性がある。これは単なる技術的進歩ではなく、金融の民主化を意味する。
日本の金融機関も、この変化に備える必要があるだろう。みずほ銀行や三菱UFJ銀行といったメガバンクは、既にデジタル資産への取り組みを開始しているが、トークン化RWAの波に乗り遅れれば、競争優位を失う可能性がある。
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