三菱重工、米データセンター需要でガスタービン売上急増
米国のデータセンター建設ラッシュがガスタービン市場を押し上げ、三菱重工業が2桁成長を記録。AI時代の電力需要が日本の重工業に新たな成長機会をもたらしている。
ChatGPTやClaudeが動く裏で、巨大なデータセンターが24時間365日電力を消費している。その電力需要の急増が、思わぬ恩恵を日本の重工業にもたらしている。
データセンター建設ラッシュが生んだ特需
三菱重工業が2月4日に発表した業績によると、米国でのガスタービン需要急増により、同社の売上高と利益が2桁成長を記録した。背景にあるのは、AI技術の普及に伴うデータセンター建設ラッシュだ。
世界のガスタービン市場は2025年に前年比ほぼ倍増となった。OpenAI、Google、Metaなどのテック企業が競ってデータセンターを建設する中、安定した電力供給を確保するためのガスタービン発電設備への投資が急激に拡大している。
特に米国では、再生可能エネルギーの間欠性を補完し、データセンターに必要な99.9%以上の稼働率を保証できるガスタービンへの依存が高まっている。
日本の重工業に吹く追い風
三菱重工業のガスタービン事業は、これまで発電所の更新需要や新興国のインフラ整備に依存してきた。しかし、AI時代の到来により、先進国での新たな電力需要が生まれている。
同社の大型ガスタービンは、従来の石炭火力発電所と比較してCO2排出量を約50%削減できるため、環境規制が厳しい米国市場でも受け入れられやすい。さらに、水素燃料への対応も可能で、将来のカーボンニュートラル社会への移行期における「つなぎ」技術として位置づけられている。
日本国内では、川崎重工業やIHIも同様の恩恵を受けており、重工業セクター全体が久々の成長機会を掴んでいる。
グローバル競争の新たな構図
一方で、この特需は永続的なものではない可能性もある。ゼネラル・エレクトリックやシーメンスといった欧米の競合企業も、データセンター向けガスタービンの開発を加速させている。
特に注目されるのは、小型モジュール原子炉(SMR)の実用化だ。マイクロソフトは既に原子力発電所からの電力調達契約を結んでおり、長期的にはガスタービンに代わる電源として普及する可能性がある。
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