ビットコイン暴落で10億ドルの金・銀売却、「ビッグ・ショート」バリー氏が警告
マイケル・バリー氏がビットコイン下落により機関投資家が最大10億ドルの貴金属を売却する可能性を警告。暗号資産の連鎖的影響を分析。
10億ドル。これは、ビットコインの急落により機関投資家が売却を余儀なくされた可能性がある金・銀の規模だ。
2008年の金融危機を予測したことで知られるマイケル・バリー氏が、暗号資産市場の混乱が貴金属市場にまで波及する可能性について警鐘を鳴らした。
ビットコイン暴落の連鎖反応
バリー氏は2月3日のSubstack投稿で、「暗号資産価格の下落により、1月末に最大10億ドルの貴金属が売却された可能性がある」と指摘した。ビットコインは火曜日に一時73,000ドルを下回り、直近の高値から40%下落している。
問題の核心は、機関投資家や企業の財務担当者が暗号資産の損失を補填するため、利益の出ている他の資産を売却せざるを得なくなったことだ。バリー氏によると、投機筋や財務管理者がリスク軽減のため、トークン化された金・銀先物の収益性の高いポジションを急いで売却したという。
企業への深刻な影響
特に懸念されるのは、大量のビットコインを保有する企業への影響だ。バリー氏はマイクロストラテジー(MSTR)などの企業名を挙げ、「ビットコインには下落を止める有機的な使用事例がない」と厳しく評価した。
さらに深刻なシナリオも描いている。ビットコイン価格が50,000ドルまで下落すれば、マイニング企業の破綻や、トークン化された金属先物市場が「買い手のいないブラックホールに崩壊する」可能性があるという。
デジタル金としての失敗
バリー氏の批判は、ビットコインの根本的な価値提案にまで及ぶ。「ビットコインはデジタル避難先資産や金の代替品としての役割を果たせていない」と断じ、最近のETF主導の上昇も「投機的なもので、真の普及の証拠ではない」と一蹴した。
「財務資産に永続性はない」というバリー氏の言葉は、企業や機関投資家によるビットコイン保有が長期的な支えになるという楽観論に冷や水を浴びせる。
日本市場への示唆
日本では、ソニーグループやSBIホールディングスなど、暗号資産関連事業に投資する企業も多い。また、個人投資家の間でも金・プラチナ投資は根強い人気がある。今回の警告は、異なる資産クラス間の予想外の連鎖反応リスクを浮き彫りにしている。
日本の機関投資家にとって、ポートフォリオの相関リスクを再評価する機会かもしれない。従来「安全資産」とされてきた金と、「デジタル金」と呼ばれるビットコインが、実際には同じ売り圧力にさらされる可能性があることが明らかになった。
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