トランプの「勝利宣言」が空振りに終わった日
イラン核合意交渉が膠着状態に。トランプ大統領はキャンプデービッドでの発表を期待させながら、結局「まだ合意に至っていない」と認めた。ホルムズ海峡封鎖が続く中、交渉の舞台裏を読み解く。
息子の結婚式を欠席してまで待ち続けた「合意」は、まだ来ていない。
トランプ大統領は先週末、長男の結婚式への出席を見送り、スタッフをワシントンに待機させた。「合意はほぼまとまっている」と自ら宣言していたイランとの核交渉が、いつ最終合意に達してもおかしくないと信じていたからだ。ルビオ国務長官はインド訪問中の日曜日に「今日中に合意できる」と述べ、月曜日にも同じことを繰り返した。火曜日には「あと数日かかるかもしれない」と後退した。
そしてトランプは、過去に中東和平の舞台となったキャンプデービッドで閣僚会議を開くと発表し、期待感を高めた。だが悪天候により会議は急遽ホワイトハウスに移され、開始から10分以内に大統領は認めた。「彼ら(イラン)は合意を強く望んでいる。しかし、まだそこには至っていない」
「合意間近」が繰り返された理由
現在交渉されているのは、1ページの「覚書(MOU)」だという。これはあくまで出発点であり、署名後60日間でイランの核開発と濃縮ウランの問題に取り組む交渉の枠組みを定めるものだ。最終的な核合意そのものではない。
報道によれば、この合意にはホルムズ海峡の船舶通行の段階的再開、レバノンでのヘズボラに対するイスラエルの軍事作戦の停戦延長、そしてテヘランへの制裁緩和が含まれる見込みだった。中東諸国の首脳陣も週末にトランプに電話し、「早急に合意を成立させてほしい」と促した。海峡封鎖によるエネルギー危機が、湾岸諸国を直撃しているからだ。
しかしトランプ支持派の強硬論者たちが反発した。上院議員のリンジー・グラハムは「イランが海峡を永続的に脅かす能力を持つという認識と、湾岸の石油インフラへの大規模攻撃能力は、地域の力のバランスを大きく塗り替え、イスラエルにとって長期的な悪夢となる」とXに投稿した。こうした公の批判と水面下のロビー活動が、トランプの姿勢を変えた一因だったとされる。
なぜ交渉はこれほど難しいのか
問題の根は深い。トランプは今回の戦争を、単に核開発阻止だけでなく、政権崩壊、ミサイル能力の破壊、中東全域のイランの代理勢力の排除という複数の目標を掲げて始めた。だが大規模な軍事作戦はそれらの目標のいずれも達成できなかった。
ここで思い起こされるのが、2015年の核合意交渉だ。当時のジョン・ケリー国務長官は上院委員会でこう証言した。「他の問題を含めれば、それは『ロープ・ア・ドープ(引き延ばし戦術)』になる。ある側面から別の側面へと、永遠に交渉し続けることになる」。ケリーが「核問題だけに絞る」と主張したのには理由があった。
トランプはその合意を破棄し、今度はより大きな目標を掲げて戦争を始めた。そして今、あまりにも多くの問題を一度に解決しようとして、ケリーが警告したまさにその罠にはまっているように見える。
交渉の実務面でも課題がある。今回の交渉を担っているのは、国務長官でも国家安全保障顧問でもなく、トランプの友人である不動産業者のスティーブ・ウィトコフと、公式の政府職務を持たない大統領の娘婿ジャレッド・クシュナーだ。両者はガザでは合意を取り付けたが、ウクライナ和平では失敗している。そしてイランの交渉担当者たちは、この二人が本当に平和を求めているのか懐疑的だという。
一方でイスラエルのネタニヤフ首相は月曜日、ヘズボラへの攻撃を増強するよう命じたと表明。停戦をめぐる交渉は、現実の戦場と乖離したまま進んでいる。
日本にとっての「ホルムズ問題」
この膠着状態は、日本にとって他人事ではない。日本が輸入する原油の約9割は中東産であり、その多くがホルムズ海峡を通過する。海峡封鎖が続けばガソリン価格や電力コストへの影響は避けられず、製造業のコスト増にも直結する。トヨタや新日本製鐵など製造業大手はエネルギーコストの上昇に敏感であり、長期化すれば輸出競争力にも影を落とす。
日本政府はこれまで、イランとの独自の外交チャンネルを維持してきた歴史がある。2019年には安倍元首相がテヘランを訪問し、仲介を試みた。今回の交渉においても、日本が何らかの役割を果たせるかどうかは注目点だ。ただし、日米同盟の枠組みの中で、どこまで独自外交が可能かは難しい問いでもある。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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