トランプ政権の「戦時採用」:移民執行機関が27,000人に急拡大
ICE職員数が1年で急増、42日間の短縮訓練で現場投入。ミネソタ州での市民2名死亡事件が浮き彫りにする、拙速な人員拡大の危険性とは。
27,000人。これは現在のアメリカ移民・税関執行局(ICE)の職員数です。わずか1年前と比べて数千人の増加——しかし、この急激な人員拡大の裏に隠された「戦時採用」の実態が、ミネソタ州での悲劇的な事件で露呈しました。
「できるだけ速く、できるだけ多く」の方針転換
トランプ政権の第2期が始まって1年、移民執行の現場は根本的に変わりました。従来のICEは比較的少数の標的を慎重に選んで逮捕していましたが、現在は「できるだけ多くの人を、できるだけ速く逮捕する」方針に転換。マスクと防弾ベストに身を包んだ捜査官たちが、シカゴに続きミネアポリスの街を席巻しています。
この変化を支えているのが、スティーブン・ミラー副首席補佐官(政策担当)が主導する大規模な人員増強計画です。ミラー氏は毎日ICEの採用状況について報告を求めており、その結果が数字に現れています。
昨年のトランプ支持の予算調整法案(「一つの美しい大法案」と銘打たれた)により、ICEと税関・国境警備局(CBP)には莫大な予算が投入されました。ICEには約200億ドル、CBPには約300億ドル——これは司法省の年間予算全体に匹敵する規模です。
1億ドルの「戦時採用」キャンペーン
ワシントン・ポストによると、ICEは内部で「戦時採用」と呼ぶ1億ドル規模の採用キャンペーンを展開。新規ICE職員には最大5万ドル、CBP職員には6万ドルのボーナスに加え、学生ローンの免除も提供されています。
その成果は人事管理局(OPM)のデータに表れています。2025年11月時点で、ICEの職員数は約27,000人に達し、1年間で数千人が増加しました。国土安全保障省は1月初旬、「22万件以上の応募から1万人の新規職員の採用に成功した」と発表しています。
しかし、この数字の裏には深刻な問題が潜んでいます。
5か月から42日へ:訓練期間の大幅短縮
採用目標達成のため、ICE新人研修は従来の5か月からわずか42日間に短縮されました。アトランティック誌の報道によると、多くの新規採用者はまだ訓練中で、実際の現場配備には時間がかかる見込みです。
より衝撃的なのは、採用基準の大幅な緩和です。ジャーナリストのローラ・ジェディード氏が報道プロジェクトとしてICE職員への応募を試みたところ、必要書類の提出や身元調査を完了しないまま、途中で応募を取り下げたにも関わらず、「求人を受諾した」と記録されていたのです。
ミネソタの悲劇が問いかけるもの
こうした拙速な人員拡大の結果が、ミネソタ州での事件に表れています。十分な訓練を受けていない可能性のある職員が、市民2名の命を奪う事態に発展。ジェディード氏の体験は、現在のICEの状況を象徴しています:潤沢な予算を背景に、高い採用目標と過酷な強制送還ノルマの達成を急いでいるのです。
日本の読者にとって、この状況は他人事ではありません。アメリカの移民政策の変化は、日本企業の現地駐在員や、アメリカで学ぶ日本人学生の環境にも影響を与える可能性があります。また、法執行機関の急速な拡大が社会の安定に与える影響は、世界各国が注視すべき事例でもあります。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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