最高裁がトランプ関税を無効化、EC企業株が急騰
米最高裁がトランプ大統領の広範囲関税を違法と判断。Amazon、Etsy、Shopifyなど電子商取引企業の株価が大幅上昇し、サプライチェーンに新たな変化の兆し。
6対3という圧倒的な票差で、米最高裁はドナルド・トランプ大統領の経済政策の中核を否定した。2月20日の判決により、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税賦課は違法とされ、電子商取引企業の株価が軒並み急騰している。
株式市場の即座な反応
判決発表直後、Amazonの株価は1%超上昇し、Etsyは5%の大幅高となった。Shopify、Wayfair、eBayも3%超の上昇を記録。中国系企業では、格安オンラインマーケットプレイスTemuの親会社PDD Holdingsも3%上昇した。
これらの企業が共通して抱えていたのは、トランプ関税による収益圧迫だった。Amazonのアンディ・ジャシーCEOは先月、「関税が一部商品の価格に影響し始めている」とCNBCのインタビューで明かしていた。消費者は低価格商品への乗り換えや、高額な裁量支出への躊躇を見せているという。
デミニミス免除撤廃の衝撃
トランプ政権がIEEPAを根拠に実施した最も破壊的な政策の一つが、「デミニミス免除」の撤廃だった。この制度は低価値パッケージの関税を免除するもので、EtsyやeBay、Shopify上の中小事業者にとって生命線だった。
特に打撃を受けたのはTemuとSheinだ。両社はこの抜け穴を利用し、中国から米国消費者に直接、関税なしで商品を発送していた。Temuは一時的に中国からの直送を停止せざるを得なくなり、両社とも米国内での販売者基盤と物流網の構築を急いだ。
日本企業への波及効果は?
今回の判決は、米国市場に依存する日本企業にも影響を与える可能性がある。ソニーや任天堂のような消費者向け電子機器メーカーは、米国での価格競争力回復が期待できる一方、トヨタやホンダなどの自動車メーカーは、サプライチェーンの再構築コストが軽減される可能性がある。
全米小売連盟(NRF)は声明で「米国企業と製造業者に必要な確実性を提供し、グローバルサプライチェーンが曖昧さなく機能できるようになる」と評価した。一部企業は既に、数十億ドル規模の関税費用回収に向けた訴訟準備を進めている。Appleだけでも、これまでに約33億ドルの関税を支払っているという。
消費者心理の変化
Etsyは木曜日の年次報告書で、「裁量支出の減少と進化する購買行動」に事業が圧迫されていると述べた。同社は第1四半期の総商品売上高について控えめな見通しを示し、CFOのラニー・ベイカー氏は「現在と比較して安定した」マクロ経済条件を前提とした予測だと説明した。
関税政策の不透明さと経済環境の悪化が組み合わさり、消費者心理は冷え込んでいた。今回の判決により、この状況に変化が訪れるかが注目される。
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