トランプ氏、「インフレホーク」ワーシュ氏をFRB議長に指名
トランプ大統領がケビン・ワーシュ氏をFRB議長に指名。インフレ抑制を重視する「タカ派」の彼の就任は、日本の金融政策と円相場にどう影響するのか。
55歳のケビン・ワーシュ氏が、世界最強の中央銀行トップに就く可能性が高まった。トランプ大統領が1月31日、現職のジェローム・パウエル氏の後任としてワーシュ氏をFRB議長に指名すると発表したのだ。
インフレとの戦いを重視する「タカ派」
ワーシュ氏は長年、インフレ抑制を最優先に掲げる「インフレホーク」として知られている。昨年11月のウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿では「インフレは選択の結果であり、パウエル議長下のFRBは賢明ではない選択を重ねてきた」と厳しく批判した。
彼のキャリアは1995年にモルガン・スタンレーでスタート。2006年にブッシュ政権下でFRB理事に就任し、2008年の金融危機ではベア・スターンズのJPモルガン・チェースへの売却を仲介するなど、ウォール街との橋渡し役を務めた。
興味深いのは、トランプ氏が第1期政権時にもワーシュ氏をFRB議長候補として検討していたことだ。最終的にパウエル氏を選んだものの、2020年には「君を選んでいれば良かった」と公の場で後悔を表明している。
日本への影響は複雑な構図
ワーシュ氏の就任が実現すれば、日本の金融政策にも大きな影響を与える可能性がある。彼がインフレ抑制を重視する姿勢を貫けば、米国の金利は高止まりし、円安圧力が続く可能性が高い。
一方で、トランプ氏は「即座に金利を下げる」候補者を求めると明言している。ワーシュ氏がこの要求にどう応えるかは、FRBの独立性を巡る重要な試金石となる。
日本銀行の植田和男総裁にとっても難しい舵取りが続きそうだ。米国が利下げに転じれば日米金利差は縮小し円高要因となるが、ワーシュ氏の「タカ派」的姿勢が勝れば、日本の金融正常化はさらに慎重にならざるを得ない。
承認への道のりは険しい
上院での承認手続きは順風満帆とは言えない。共和党のトム・ティリス上院議員は、司法省によるパウエル氏への刑事捜査が終了するまで、すべてのFRB人事を阻止すると宣言している。上院銀行委員会で決定票を握る彼の存在は、ワーシュ氏の承認を複雑にしている。
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