トランプ氏、イラン王制復活を検討か 中東の力学が変わる時
トランプ政権がイラン王朝の後継者レザ・パフラヴィ氏を政権交代の候補として検討。中東情勢の根本的変化の可能性を探る。
2026年3月、ワシントンの政治サークルで静かに囁かれている話がある。トランプ政権が、亡命中のイラン王族レザ・パフラヴィ氏を、現イラン政権の「後継者」として検討しているというのだ。
王制復活という大胆な構想
レザ・パフラヴィ氏は、1979年のイスラム革命で追放された最後のイラン皇帝の息子である。47年間の亡命生活を送る彼が、突如として米国の中東戦略の中心に浮上している。
現在の緊張状況は深刻だ。イランによるアラブ湾岸諸国への攻撃が激化し、ミナブ学校での空爆では165人の少女と教職員が犠牲となった。ドバイの米国領事館への攻撃も発生し、地域全体が不安定化している。
こうした中、英国は米国による「イランへの防御的攻撃」のための英軍基地使用を承認。ウクライナまで湾岸諸国への防衛協力を申し出るなど、国際的な対イラン包囲網が形成されつつある。
日本への波及効果
日本にとって、この動きは複雑な意味を持つ。イランは日本の重要なエネルギー供給源の一つであり、中東情勢の不安定化は直接的にエネルギー安全保障に影響する。
特に、ホルムズ海峡を通過する石油タンカーの安全確保は、日本経済の生命線だ。政権交代が現実化すれば、新たな外交関係の構築が必要となり、三菱商事やJX日鉱日石エネルギーなどの日本企業の中東戦略も見直しを迫られるだろう。
現実性への疑問符
しかし、専門家の間では懐疑的な見方も強い。47年間の空白は長く、現在のイラン社会におけるパフラヴィ王朝への支持基盤は不透明だ。
中東研究者の田中浩一郎氏は「革命後世代が人口の大半を占める現在のイランで、王制復活がどれほど現実的かは疑問」と指摘する。また、地域の宗派対立や民族問題を考慮すると、政権交代が即座に安定をもたらすとは限らない。
地域秩序の再編
一方で、この構想が示唆するのは、米国の中東戦略の根本的転換だ。従来の「現状維持」から「積極的変革」への転換は、サウジアラビアやイスラエルといった地域の同盟国にも大きな影響を与える。
湾岸協力会議(GCC)諸国は、イランの脅威に対する新たな対応策を模索している。ウクライナからの防衛協力提案も、こうした文脈で理解できる。従来の地域秩序が根本から見直される可能性がある。
記者
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