トランプ政権、EPA温室効果ガス規制を大幅削減へ
トランプ政権がEPAの2009年「危険認定」を撤廃。自動車排出ガス規制が緩和され、米国の温室効果ガス削減ペースが10%鈍化する見通し。
米国の温室効果ガス削減努力が、大きな転換点を迎えている。トランプ政権は2月12日、EPA(環境保護庁)の2009年「危険認定」を正式に撤廃すると発表した。この措置により、米国の排出量削減ペースは約10%鈍化すると予測されている。
17年間続いた規制の根拠が消失
「危険認定」とは、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが人間の健康と福祉に脅威を与えるとしたEPAの科学的判断だった。2009年のオバマ政権下で策定されたこの認定は、大気浄化法に基づく温室効果ガス規制の法的根拠となってきた。
今回の撤廃は、まず自動車とトラックの排気ガス規制に適用される。しかし、これは始まりに過ぎない。リー・ゼルディンEPA長官の下で、連邦大気汚染規制全体の見直しが段階的に進められる見通しだ。
撤廃プロセスには時間がかかる。原認定の策定に2年を要したように、完全な撤廃にも lengthy な手続きが必要となる。この間、規制の不確実性が続くことになる。
経済への影響と産業界の反応
環境防衛基金のフレッド・クラップ会長は「この措置は汚染の増加を招き、米国の家庭により高いコストと実害をもたらす」と批判した。一方で、規制緩和により恩恵を受ける産業もある。
興味深いのは、規制撤廃にもかかわらず、排出量減少トレンド自体は継続すると予測されていることだ。近年、安価な再生可能エネルギーが新規発電容量の大部分を占めているためだ。市場の力が政策の変更を部分的に相殺している。
日本企業にとって、この変化は複雑な意味を持つ。トヨタやホンダなどの自動車メーカーは、米国市場での環境規制緩和により短期的にはコスト削減の機会を得る可能性がある。しかし、長期的には、グローバルな脱炭素トレンドから取り残されるリスクも抱える。
気候変動の経済コスト
数字は厳しい現実を物語っている。気候変動が放置されれば、米国の死亡率は約2%上昇し、2050年までに世界のGDPは17%、金額にして約38兆ドル減少する可能性がある。
これらの予測が現実となれば、今回の規制緩和による短期的な経済効果は、長期的な損失によって相殺される可能性が高い。企業は、政策の変更に左右されない持続可能な戦略を求められている。
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