アルゴリズムに「お手紙」を書く時代が来た
Threadsが米国で「Dear Algo」機能を開始。ユーザーが投稿でアルゴリズムに直接要望を伝える新しいコミュニケーション方法とは?
「親愛なるアルゴリズムへ」—こんな書き出しで始まる投稿が、あなたのSNSフィードを変えるかもしれません。
MetaのThreadsが米国で開始した「Dear Algo」機能は、ユーザーが投稿内で「Dear Algo」と書いて、アルゴリズムに直接要望を伝えることができる仕組みです。「もっと料理の投稿を見たい」「政治的な内容は減らして」といった具体的なリクエストを、まるで手紙を書くように投稿できます。
ユーザー発の「ハック」が公式機能に
興味深いのは、この機能がユーザーの自発的な行動から生まれたことです。Metaが公式機能を作る前から、ユーザーたちは「Dear Algo」という言葉を使って、アルゴリズムに影響を与えようと試みていました。つまり、企業がユーザーの創造的な「システムハック」を観察し、それを正式な機能として採用したのです。
この機能は既にオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスでテストされており、今回米国でも展開されました。Metaは「コミュニティのフィードバックに基づいて継続的に改良し、その後より広範囲に展開する」としています。
アルゴリズムとの新しい関係性
従来、SNSのアルゴリズムは「ブラックボックス」的な存在でした。ユーザーは何が表示されるかを予測できず、プラットフォーム側が一方的にコンテンツを選択していました。しかし「Dear Algo」は、この関係性を根本的に変える可能性があります。
アルゴリズムが単なる「システム」から、ユーザーとコミュニケーションを取る「相手」へと変化しているのです。これは技術的な進歩というより、人とテクノロジーの関係性における文化的な変化を表しています。
日本のSNS利用者にとって、この変化は特に意味深いかもしれません。日本では「空気を読む」文化があり、明示的な要求よりも暗黙の理解を重視する傾向があります。しかし「Dear Algo」は、デジタル空間において自分の意思を明確に表現することを促します。
プライバシーと透明性のジレンマ
一方で、この機能は新たな疑問も提起します。ユーザーが自分の好みを明示的に伝えることで、プラットフォーム側はより詳細な個人データを収集することになります。透明性の向上と引き換えに、プライバシーの新たな懸念が生まれる可能性があります。
また、アルゴリズムがユーザーの要求にどの程度応えるかも不明です。「Dear Algo」と書いても、実際にフィードが期待通りに変化するとは限りません。これは新しい形の「デジタル期待管理」の問題かもしれません。
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