TikTokの「無限スクロール」、EU規制当局が警告
欧州委員会がTikTokの中毒性設計に対して初の警告。デジタルサービス法の本格運用で、ソーシャルメディアの未来が変わる可能性
10億人が毎日使うTikTokの「無限スクロール」機能が、ついに欧州規制当局の標的となった。
欧州委員会は金曜日、TikTokが中毒性のある設計機能によるリスクを適切に評価・軽減できていないとする予備的調査結果を発表した。特に子どもや脆弱なグループの身体的・精神的健康に害を与える可能性があるとして、警告を発した。
デジタルサービス法の初の本格テスト
この警告は、EU(欧州連合)のデジタルサービス法の最も進んだ適用例の一つとなる。同法は大規模オンラインプラットフォームに対し、自社製品に関連するシステミックリスクを特定し、抑制することを義務付けている。
TikTokは現在、欧州で1億5000万人以上のユーザーを抱える。同社の親会社である中国のByteDanceは、これまでアルゴリズムの透明性や未成年者保護について各国規制当局と度々衝突してきた。
今回の警告は法的拘束力を持ち、TikTokは対応策を講じなければ、EU域内での売上高の最大6%という巨額の制裁金を科される可能性がある。
「無限スクロール」の何が問題なのか
問題とされているのは、ユーザーが意識的に止めるまで延々とコンテンツが流れ続ける設計だ。欧州委員会は、この機能が特に若年層の過度な利用を促し、睡眠不足や学習への集中力低下を引き起こす可能性があると指摘している。
InstagramやYouTubeなども類似の機能を持つが、TikTokが最初の標的となった背景には、同プラットフォームの特異な中毒性がある。平均的なユーザーは1日95分をTikTokに費やしており、これは他のソーシャルメディアを大幅に上回る。
日本でも若年層の68%がTikTokを利用しており、長時間利用による健康への懸念は共通の課題となっている。
グローバル規制の連鎖反応
EUの動きは世界的な規制強化の流れを加速させる可能性が高い。米国では既に複数の州でTikTokの使用制限が議論されており、インドでは2020年から全面禁止が続いている。
日本政府も政府機関でのTikTok使用を制限しているが、一般利用者への規制は慎重な姿勢を維持している。しかし、EUの判断は日本の政策決定にも影響を与える可能性がある。
ソニーや任天堂といった日本のエンターテインメント企業にとって、この規制強化は新たなビジネス機会となるかもしれない。より健全なデジタル体験を提供するプラットフォームへの需要が高まる可能性があるからだ。
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