リップルCEO、米仮想通貨規制法案「90%可決」予測の真意
リップルのガーリングハウスCEOが明確化法案の4月可決確率を90%と予測。日本の金融機関にとって米規制動向が重要な理由とは。
30億ドル。リップルが2023年以降に費やした買収資金の総額だ。同社CEOブラッド・ガーリングハウス氏は今、大型買収を一時停止し、統合作業に集中すると発表した。その理由は単純だ。米国で長年議論されてきた仮想通貨規制の明確化法案(Clarity Act)が、ついに動き出したからである。
4月可決「90%」の根拠
ガーリングハウス氏はFox Businessのインタビューで、明確化法案の4月末までの可決確率を90%と予測した。これまで82%(Polymarketの予測市場)程度とされていた可決確率を大幅に上回る数字だ。
彼の自信の源泉は、ワシントンでの最近の動きにある。ホワイトハウスが3月1日を交渉推進の目標日に設定し、仮想通貨企業と従来の銀行業界双方のリーダーが参加する会議が活発化している。特に注目すべきは、従来仮想通貨に慎重だった伝統的金融機関が「明確なルールの下で平等に競争したい」と態度を変えていることだ。
明確化法案は、どのデジタル資産が証券法の対象となり、どれが商品先物取引委員会(CFTC)の監督下に置かれるかを定義する。最大の争点は、ステーブルコインの報酬提供をめぐる規定だった。銀行業界は預金流出を懸念し、仮想通貨業界は競争力維持を主張してきた。
日本企業への波及効果
米国の規制動向は、日本の金融機関にとって他人事ではない。三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループなど、米国市場で事業を展開する日本の大手銀行は、現地の規制に準拠する必要がある。
また、SBI Holdingsのように仮想通貨事業を積極展開する企業にとって、米国の規制明確化は新たなビジネス機会を意味する。国際送金や企業財務管理の分野で、日本企業が米国市場により深く参入する道筋が見えてくるからだ。
リップル自体も日本市場を重視している。同社はSBIリップルアジアを通じて日本の金融機関との関係を深めており、米国での規制明確化は日本での事業拡大にも弾みをつけるだろう。
「不完全でも必要」な妥協
ガーリングハウス氏は法案を「不完全だが必要」と表現した。リップルは連邦裁判所から「XRPは証券ではない」との判決を勝ち取っているが、業界全体はいまだ「宙ぶらりん状態」にある。
この状況は日本の「完璧主義」文化とは対照的だ。日本では法整備に時間をかけ、包括的な制度設計を重視する傾向がある。一方、米国では「まず動かしてから調整」するアプローチが取られることが多い。
興味深いのは、仮想通貨市場が軟調な中でもガーリングハウス氏が楽観的な見通しを示していることだ。ビットコインが6万8000ドル近辺で推移し、市場全体に不安定さが見られる現在でも、企業財務担当者や金融機関からの関心は高まっているという。
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