ビットコイン平均取得価格1070万円、メタプラネットが語る逆境の投資哲学
アジア最大のビットコイン保有上場企業メタプラネットが、1070万円の平均取得価格で280億円の含み損を抱えながらも買い増しを続ける理由とは
1070万円。これが東京証券取引所に上場するメタプラネットがビットコインを購入した平均価格だ。現在のビットコイン価格は約660万円。単純計算で、同社は保有する35,102BTC(約2500億円相当)で巨額の含み損を抱えている。
それでも同社のサイモン・ゲロヴィッチCEOは2月6日、X(旧ツイッター)で「着実にビットコインの蓄積を続け、収益を拡大し、次の成長段階に備える」と宣言した。株価が6月の高値1930円から82%下落し、現在340円で推移する中での強気発言だ。
アジア最大の「ビットコイン企業」の実態
メタプラネットは現在、アジア最大の上場ビットコイン保有企業として知られる。世界ランキングでは4位に位置し、1位のマイクロストラテジー(713,502BTC)、2位のMARA Holdings(53,250BTC)に続く。
同社の「555ミリオンプラン」は野心的だ。2026年末までに10万BTC、2027年までに21万BTCの保有を目指している。2024年末時点では1,762BTCだった保有量を、わずか1か月余りで35,102BTCまで急拡大させた。
しかし、この積極投資の代償は重い。同社は約280億円の負債を抱え、ビットコイン価格の下落とともに株価も急落。投資家からは「ビットコインの価格変動に過度に依存したビジネスモデル」への懸念の声も上がる。
「逆境こそチャンス」の投資哲学
1月29日、メタプラネットは追加のビットコイン購入と債務返済のため、最大210億円の資金調達計画を発表した。1株499円で2453万株の新株を発行し、特定投資家向けの新株予約権も併用する。
この発表後も株価下落は続いているが、ゲロヴィッチCEOは株主への感謝を表明し、「ビットコインの下降トレンドにもかかわらず、会社を支持し続ける株主に感謝する」とコメント。ビットコインが10月の史上最高値から47%下落し、木曜日だけで14%急落する中での発言は、同氏の確信の強さを物語る。
日本の上場企業がここまで暗号資産に集中投資するケースは珍しく、金融庁の規制環境や投資家の保守的な姿勢を考えると、メタプラネットの戦略は極めて異例だ。
日本市場への波及効果
メタプラネットの動向は、日本企業の暗号資産投資に対する姿勢を測る重要な指標となっている。同社の成功または失敗は、他の日本企業がビットコインを企業資産として採用するかどうかの判断材料になる可能性が高い。
一方で、日本の機関投資家や年金基金などは依然として暗号資産投資に慎重だ。メタプラネットの現状は、「デジタル資産の時代」と「リスク管理の重要性」という相反する要素を同時に示している。
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