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日本が海底6000メートルから掘り起こす「脱中国」の野望
経済AI分析

日本が海底6000メートルから掘り起こす「脱中国」の野望

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中国依存からの脱却を目指し、日本が太平洋の海底からレアアース採掘に挑む。2010年の中国禁輸措置から16年、技術立国の生存戦略とは?

太平洋の海底6000メートル。そこに眠るのは、スマートフォンから電気自動車まで、現代文明を支える「産業のビタミン」レアアースだ。1月12日、静岡県清水港から出港した全長200メートルの海洋研究船「ちきゅう」は、日本の16年越しの執念を背負って南鳥島沖へと向かった。

2010年の「悪夢」が生んだ決意

事の発端は2010年9月。尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を機に、中国が日本向けレアアース輸出を事実上停止した。わずか数週間で、トヨタパナソニックなど日本の製造業大手が生産調整を余儀なくされ、「資源外交」の恐ろしさを痛感することになった。

中国は世界のレアアース生産量の約60%を占める圧倒的な地位にある。特に、ハイブリッド車のモーターに不可欠なネオジムや、風力発電機に使われるジスプロシウムなど、日本の得意分野である環境技術に欠かせない元素を握っている。

「あの時の屈辱を二度と味わってはならない」。日本政府と企業が一丸となって進めてきた「脱中国」戦略が、ついに海底という最後のフロンティアに到達したのだ。

海底の「宝の山」は実用化できるのか

南鳥島周辺の海底には、陸上鉱床の数百倍の濃度でレアアースが含まれた泥が堆積している。海洋研究開発機構(JAMSTEC)の試算では、この海域だけで日本の消費量の数百年分に相当する埋蔵量があるという。

しかし、技術的ハードルは想像以上に高い。水深6000メートルからの採掘は、月面探査に匹敵する困難さだ。高水圧、低温、腐食性の海水という過酷な環境下で、いかに効率的に泥を吸い上げ、船上で処理するか。今回の実証実験は、その第一歩に過ぎない。

コスト面でも課題は山積みだ。現在の技術では、海底採掘のコストは中国産の10倍以上になると見積もられている。商業化には技術革新による大幅なコスト削減が不可欠だ。

多角的な「脱中国」戦略

海底採掘と並行して、日本は多方面で中国依存からの脱却を進めている。豊田通商はオーストラリアのライナス社への出資を通じて調達先を多様化。住友商事はカザフスタンでのウラン採掘事業を拡大し、副産物としてレアアースを確保する戦略を取る。

リサイクル技術の向上も重要な柱だ。日立製作所は使用済みハードディスクからレアアースを回収する技術を実用化。パナソニックはエアコンの圧縮機から高純度のネオジムを抽出する手法を開発した。

政府レベルでも、インドベトナムモンゴルとの資源外交を強化。特にインドとは、同国南部の重希土類鉱床開発で協力関係を築いている。

地政学的な意味合い

日本の海底採掘挑戦は、単なる技術的チャレンジを超えた地政学的意義を持つ。中国が「レアアース武器化」を続ける中、主要消費国である日本が独自の供給源を確保することは、グローバルな力学を変える可能性がある。

アメリカも日本の取り組みに注目している。バイデン政権は重要鉱物の供給網強化を国家戦略に位置づけており、日米の技術協力が進展する可能性は高い。一方で、中国は自国の優位性が脅かされることを警戒し、さらなる輸出制限に踏み切るリスクもある。

環境面では複雑な議論が続いている。海底採掘は深海生態系への影響が懸念される一方、陸上採掘に比べて放射性物質の処理問題が少ないという利点もある。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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