トランプの「平和委員会」、東南アジアの顔ぶれが示す新秩序
インドネシア、ベトナム、カンボジアが参加する一方、フィリピンやタイなど米同盟国が除外。東南アジア外交の新たなパワーバランスとは。
2026年2月19日、ワシントンで開催されるトランプ政権初の「平和委員会」正式会議。参加する東南アジア3カ国の顔ぶれを見ると、興味深いパターンが浮かび上がる。
招待されたのは「中間国」たち
会議に参加するのは、インドネシアのプラボウォ大統領、ベトナムのト・ラム最高指導者、そしてカンボジアのフン・マネット首相。一方で、米国の伝統的同盟国であるフィリピンやタイ、貿易協定パートナーのマレーシアは招待されていない。
この選択は偶然ではない。招待された3カ国はいずれも、米中どちらにも完全には傾かない「中間国」としての立場を維持してきた。インドネシアは3億人の人口を抱える東南アジア最大の経済大国でありながら、非同盟を外交の基本方針とする。ベトナムは米国との関係改善を進めつつも、中国との複雑な関係を保持している。
同盟国が排除される逆説
従来の米国外交では、フィリピンやタイといった条約同盟国が重要な役割を果たしてきた。しかし、トランプ政権の「平和委員会」構想では、むしろこれらの国々が脇に置かれている。
この現象は、トランプの「取引型外交」の特徴を如実に表している。既存の同盟関係よりも、具体的な経済協力や資源確保において価値を提供できる相手を優先する姿勢だ。インドネシアの豊富な鉱物資源、ベトナムの製造業基盤、カンボジアの地政学的位置は、いずれもトランプ政権の経済安全保障戦略に合致する。
アジア外交の構造変化
日本にとって、この変化は複雑な意味を持つ。従来の「ハブ・アンド・スポーク」型の米国中心同盟システムが揺らぐ中で、日本は東南アジア諸国との直接的な関係構築をより重視せざるを得ない。
特に注目すべきは、ASEAN内部での立場の違いが鮮明になっていることだ。米国に招待された国々と、そうでない国々の間で、今後の地域協力における影響力に差が生じる可能性がある。日本企業にとっては、投資先や供給チェーン戦略の見直しが必要になるかもしれない。
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