ドイツがF-35追加調達検討 欧州戦闘機計画の頓挫が浮き彫りに
ドイツが米国製F-35戦闘機の追加調達を検討。欧州共同戦闘機開発計画の遅延が背景に。日本の防衛産業への影響は?
欧州の防衛自立という理想と現実の間で、ドイツが重大な選択を迫られている。複数の関係者によると、ドイツ政府は米国製F-35戦闘機の追加調達を検討しており、これは欧州共同戦闘機開発計画の事実上の頓挫を意味する可能性が高い。
欧州の理想と現実のギャップ
ドイツはすでに35機のF-35戦闘機調達を決定済みだが、さらなる追加調達の検討は、フランス、ドイツ、スペインが共同で進める次世代戦闘機システム(FCAS)の開発遅延が主な要因とされる。当初2040年の配備を目指していたFCASは、技術的課題と各国間の主導権争いにより、実現時期が大幅に後ずれしている。
ロシアのウクライナ侵攻以降、欧州各国は防衛力強化を急務としているが、理想的な「欧州製兵器」の開発を待つ余裕はない。ドイツの決断は、安全保障の現実が政治的理想を上回った象徴的な出来事といえる。
日本の防衛産業への波紋
この動きは日本の防衛産業にとって複雑な意味を持つ。日本はF-35の42機を既に調達し、さらに105機のF-35Aと42機のF-35Bの調達を予定している。ドイツの追加調達により、F-35の生産規模が拡大すれば、部品調達コストの削減や技術移転の機会が増える可能性がある。
一方で、欧州の共同開発計画の失敗は、日本が参画するGCAP(次世代戦闘機)計画にとって重要な教訓となる。英国、日本、イタリアによるGCAPは2035年の配備を目指しているが、欧州の経験は国際共同開発の困難さを改めて浮き彫りにした。
アメリカの戦略的勝利
ロッキード・マーチン社にとって、ドイツの追加調達検討は大きな勝利だ。F-35プログラムは既に15か国が参画する史上最大の国際防衛協力事業となっており、ドイツの追加参加により、さらなる規模の経済効果が期待できる。
しかし、この状況は欧州の防衛産業にとって警鐘でもある。エアバスやダッソーといった欧州の航空機メーカーは、政治的な思惑に左右されない実用的な兵器開発の重要性を改めて認識させられている。
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