韓国防衛産業の欧州進出、トランプ時代の「信頼の空白」を埋めるか
NATO諸国が韓国ハンファの長距離砲に注目。米国への不信が高まる中、韓国が欧州の新たな防衛パートナーとして台頭している背景と日本への影響を分析。
ノルウェー最北端のフィンマルク地方。ロシアとの国境に接するこの極寒の地が、今欧州防衛の最前線として注目されている。そしてその防衛を支えるのは、意外にも韓国製の兵器システムかもしれない。
欧州が韓国に向ける視線の変化
NATO諸国が韓国のハンファエアロスペース製長距離砲システムに相次いで関心を示している。特に注目されているのは、K-239チョンム多連装ロケットシステムだ。射程80キロを超える精密攻撃能力を持つこのシステムは、従来の欧米製兵器とは異なる魅力を持つ。
価格競争力はもちろん、納期の早さと技術移転への柔軟性が評価されている。ドイツの防衛専門家は「韓国企業は欧州のニーズに合わせたカスタマイズに積極的で、米国企業よりも協力的だ」と語る。
トランプ政権下で変わる「信頼の方程式」
背景にあるのは、トランプ政権復帰による欧州の対米不信だ。前回の政権期間中、トランプ氏はNATO諸国に対し防衛費増額を強く要求し、場合によっては米軍撤退も示唆した。2026年現在、その記憶は欧州諸国にとって生々しい。
「アメリカは信頼できるパートナーなのか?」この疑問が、欧州の防衛調達戦略を根本から変えつつある。韓国は、技術力を持ちながらも政治的に中立的なポジションを保つ「第三の選択肢」として浮上した。
日本の防衛産業への波及効果
韓国の欧州進出は、日本の防衛産業にも複雑な影響を与える。三菱重工業や川崎重工業など日本企業は、従来米国との協力を軸に事業を展開してきた。しかし韓国企業の積極的な海外展開は、新たな競争環境を生み出している。
一方で、日韓の防衛協力強化という観点では機会も生まれている。両国は2024年以降、防衛装備品の共同開発に向けた協議を本格化させており、欧州市場への共同アプローチも検討されている。
アジア防衛産業の地政学的意味
韓国の成功は、アジア全体の防衛産業地図を塗り替える可能性を秘めている。従来「西側vs東側」という単純な構図だった防衛市場に、「アジア製」という新たなカテゴリーが登場した。
インド、トルコ、イスラエルなども独自の防衛技術で存在感を高めており、防衛装備品市場の多極化が進んでいる。この変化は、長期的には軍事バランスや同盟関係にも影響を与える可能性がある。
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