チップ設計の民主化が始まった:カデンス好決算が示す新時代
カデンス・デザイン・システムズの好決算から読み解く、システム企業による自社チップ設計トレンドと日本企業への影響を分析
45%。これはカデンス・デザイン・システムズの売上に占める「システム企業」の割合だ。わずか数年前まで、チップ設計は半導体専門企業の領域だった。しかし今、アップルやグーグルのような最終製品メーカーが自らチップを設計する時代が到来している。
予想を上回る好決算の裏側
カデンス・デザイン・システムズは2025年第4四半期決算で、調整後1株当たり利益1.99ドル、売上高14.4億ドルを記録した。これはアナリスト予想の1.91ドルと14.2億ドルをそれぞれ上回る結果だ。前年同期比では約6%の増収増益となった。
同社CEOアニルド・デブガン氏は「システム企業がハードウェアとソフトウェアスタックを一体で最適化したいと考えており、そのためには自社のワークロードに最適化されたチップ設計が重要な要素になる」と説明した。
カデンスは半導体設計用ソフトウェア(EDA:Electronic Design Automation)の大手企業で、シノプシスやシーメンスと競合している。同社のツールは、チップの設計から検証、製造準備まで幅広い工程をカバーしている。
システム企業の自社チップ設計が加速
最も注目すべきは、売上の45%が「システム企業」から来ているという事実だ。これにはグーグル、アマゾン、メタなどのハイパースケーラーや、スマートフォンメーカー、自動車メーカーが含まれる。
デブガン氏はアップルのスマートフォン向けチップやグーグルのAI専用チップを代表例として挙げ、「システム企業による自社チップ設計のトレンドは加速するだけだ」と予測した。
この背景には、AI処理の需要急増がある。汎用的なチップでは効率やコストの面で限界があり、各社が自社の用途に特化したチップを求めるようになった。テスラの自動運転チップ、アマゾンのデータセンター向けチップ「Graviton」などが好例だ。
日本企業にとっての機会と課題
日本企業にとって、この変化は両面的な意味を持つ。
機会の側面では、ソニーのイメージセンサー、任天堂のゲーム機、トヨタの自動運転システムなど、独自の技術領域を持つ企業が自社最適化チップを開発する余地が広がっている。実際、ソニーは既にスマートフォン用イメージセンサーで世界シェア50%を占めており、この領域での更なる差別化が期待できる。
一方で課題もある。日本企業の多くは従来、チップ設計を外部に依存してきた。自社設計に移行するには、設計チームの構築、EDAツールの習得、製造パートナーとの関係構築など、多大な投資と時間が必要だ。
カデンスは2026年度の売上見通しを59億~60億ドルと発表した。これはファクトセットの予想59.4億ドルの上限に位置する強気な予測で、システム企業からの需要継続を織り込んでいる。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
関連記事
RingCentralとFive9の好決算がソフトウェア株暴落に歯止め。AI導入が業績押し上げ、従来のSaaS脅威論に疑問符
専用AIがDeFi脆弱性の92%を検知、汎用AIの34%を大幅上回る。攻撃用AIと防御用AIの軍拡競争が本格化。日本の金融セキュリティへの影響は?
インドのAIブームが加速する中、日本企業にとって新たな機会と脅威が浮上。従来のIT下請けから脱却するインドの変化を読み解く
OpenClawなどAIエージェントが画面操作を自動化する中、個人情報保護の新たな課題が浮上。企業と個人の責任分界点を探る。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加