ビットコイン6万ドル攻防戦:ETF投資家の平均購入価格9万ドルの意味
ビットコインが6万ドル割れ寸前まで下落。ETF投資家の平均購入価格9万ドルとの乖離が示す、仮想通貨市場の構造変化を読み解く。
6万ドル。この数字が、世界最大の仮想通貨ビットコインにとって心理的な防衛線となっている。木曜日の深夜、ビットコインは61,000ドルを下回り、危険水域に突入した。金曜日朝には66,015ドルまで回復したものの、市場関係者は「さらなる下落の可能性」を警告している。
機関投資家の「損切り」が始まった
今回の下落で最も注目すべきは、機関投資家の動向だ。昨年同時期に46,000ビットコインを購入していた米国のETF(上場投資信託)は、2026年に入って売り越しに転じている。
CryptoQuantのデータによると、ETF経由でビットコインを購入した投資家の平均購入価格は9万ドル。現在の価格との差は24,000ドル以上に達し、これらの投資家は「大幅な含み損」を抱えている状況だ。
10X Researchの調査責任者マーカス・ティーレン氏は「大口の機関投資家が仮想通貨保有を解消している」と分析。「米国の取引時間中に大量の資金流出が続いており、投資家が諦めて売却している」と指摘した。
強制決済の連鎖反応
市場をさらに押し下げているのが、強制決済(リクイデーション)の連鎖だ。木曜日には20億ドル相当のロング・ショートポジションが強制決済され、金曜日も8億ドル近い決済が発生した。
ビットコインは米国のテック株と連動する傾向があり、株式市場の不安定さが仮想通貨市場にも波及している。金や銀などの貴金属市場も大きく変動しており、投資家のリスク回避姿勢が鮮明になっている。
他の仮想通貨はさらに深刻
ビットコインが史上最高値から40%下落している一方、他の主要仮想通貨の状況はより深刻だ。イーサリアムとXRPは最高値から60%以上、ソラナは70%以上の下落となっている。
昨年10月に126,000ドル超の史上最高値を記録したビットコインだが、70,000ドルを下回ったことで、さらなる下落への懸念が高まっている。
夏場に向けた「もう一段の下落」予想
ティーレン氏は短期的な反発の可能性を認めつつも、「夏場にかけてもう一段の安値をつける」と予想している。同氏の分析では、ビットコインは50,000ドルまで下落する可能性があるという。
「小幅な反発や横ばいの動きはあるかもしれませんが、夏場には再び安値を更新すると考えています」と同氏は語った。
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