ビットコイン67,000ドルで踏みとどまる中、投資家は下落への「保険」を購入
ビットコインETF投資家の平均損失20%、機関投資家の慎重姿勢が続く中、暗号資産市場の底打ちはいつ来るのか?
67,000ドル。この数字が、今のビットコイン投資家にとって重要な防衛線となっている。2月19日、ビットコインは一時66,000ドルを下回ったものの、なんとか67,000ドル台で持ちこたえた。
しかし、この「踏みとどまり」の裏には、投資家たちの深刻な懸念が隠れている。
ETF投資家の厳しい現実
Wintermuteのトレーダーが指摘する数字は衝撃的だ。米国のビットコインETF投資家の平均取得コストは84,000ドル近辺。現在価格との差は約20%の含み損を意味する。
これは単なる数字ではない。20%という損失ラインは、投資心理学において「損切り」を検討し始める重要な分岐点とされている。Wintermuteの専門家が「capitulation selling(投げ売り)」の可能性を警告するのも無理はない。
興味深いのは、機関投資家の行動パターンだ。ETF保有量は過去最高から5%程度の減少にとどまっている。これは「パニック売り」ではなく、「慎重な調整」を示している。日本の機関投資家が得意とする「段階的なリスク管理」に近いアプローチといえるだろう。
防御的な市場心理
現在のデリバティブ市場では、トレーダーたちが「下落保険」を購入する一方で、上昇時の利益を制限する取引が増加している。これは守りの姿勢を明確に示している。
なぜこれほど慎重になっているのか?理由は暗号資産市場の外にある。
Blue Owlの17億ドル規模プライベートクレジットファンドが償還を永久停止したニュースは、クレジット市場全体への不安を煽った。Apollo Global、Blackstoneなどの大手も5%以上下落。金融システム全体への波及効果を投資家が警戒している。
地政学リスクの影響
イランへの軍事行動の可能性も市場を重くしている。原油価格は66ドルを超え、8月以来の高値を記録。エネルギー価格の上昇は、リスク資産からの資金流出を加速させる要因となる。
日本の投資家にとって、この地政学リスクは特に重要だ。中東情勢の不安定化は、エネルギー輸入国である日本経済への直接的影響を意味するからだ。
政策面での微かな光
一方で、ホワイトハウスでの暗号資産市場構造法案に関する協議では、わずかながら前進の兆しが見えている。業界代表と銀行関係者の間で「段階的な進展」があったと報告されている。
ただし、具体的な合意には至っておらず、政策的な不透明感は依然として残る。
市場の底は見えたのか
Blockfillsが7,500万ドルの貸付損失を受けて売却検討に入るなど、暗号資産急落の余波は続いている。しかし、2022年のCelsiusやFTXのような大規模破綻は今のところ避けられている。
これは二面性がある。最悪の事態は回避されているが、同時に「完全な洗い出し」も起きていない。2022年の底打ちから2023-25年の強気相場につながったような「徹底的な調整」はまだ来ていないのかもしれない。
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