EUが自動車の炭素繊維規制を撤回へ。日本企業と欧州メーカーのロビー活動が結実
欧州連合(EU)が自動車への炭素繊維規制案を撤回する方針を固めました。日本企業と欧州メーカーによるロビー活動が奏功。EV軽量化に不可欠な素材を守るための産業界の動きと今後の影響を詳しく解説します。
欧州の環境規制が、産業界の「現実」を前に一歩退きました。 欧州連合(EU)が検討していた自動車への炭素繊維(カーボンファイバー)の使用制限案について、これを撤回する方針であることが日本経済新聞の報道で明らかになりました。脱炭素社会に向けた軽量化素材として不可欠な炭素繊維を巡り、日欧の産業界が一体となって規制反対を訴えた結果と言えます。
EUの自動車炭素繊維規制撤回とその背景
今回の動きは、EUが進める「廃車(ELV)指令」の改定案に関連しています。当初、EU当局は人の健康や環境に悪影響を及ぼす可能性があるとして、自動車製造における一部の材料使用を制限する計画を立てていました。しかし、炭素繊維は電気自動車(EV)の航続距離を伸ばすための車体軽量化に欠かせない素材であり、規制は産業競争力を削ぐとの懸念が急速に広がりました。
日欧の大手メーカーによる強力なロビー活動
ロイターや日本経済新聞によると、この規制案に対して世界シェアの約 50% 以上を握る日本の炭素繊維メーカーと、欧州の自動車メーカーが強力なロビー活動を展開しました。メーカー側は、炭素繊維の制限が素材供給網に打撃を与え、結果として欧州が進めるグリーン・ディールの目標達成を阻害すると主張しました。この「経済的合理性」への訴えが、当局の判断を覆す決定打となった模様です。
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