ウーバーとリフト、2026年にロンドンでバイドゥ製ロボタクシーを試験導入へ。ウェイモに続き競争激化

配車サービス大手のウーバーとリフトは、2026年からロンドンで中国のテクノロジー企業バイドゥ（百度）が開発した自動運転タクシー「Apollo Go」の試験運用を開始することを発表しました。これにより、ロンドンはすでにサービス展開を発表しているウェイモや地元スタートアップのウェイブにこれら2社が加わり、世界の主要な自動運転技術企業が集う激戦区となりそうです。

リフトのデビッド・リッシャーCEOは自身のSNSで、現地の規制当局からの承認が得られ次第、試験運用を開始する意向を明らかにしました。同社はバイドゥ製の電動SUV「RT6」を「数百台規模」まで拡大する計画ですが、商用サービス開始の具体的な時期については言及していません。

一方、ウーバーもバイドゥとの提携の一環として、2026年中に同車両の試験運用を行う計画を発表しました。同社によると、試験開始は2026年前半を予定しているとのことです。この提携は、両社が2025年7月に発表した協力関係に基づくものです。

今回のロンドンでの動きは、ウーバーとリフトが特定の自動運転技術を自社開発するのではなく、バイドゥやウェイモといった専門企業と提携し、世界各都市でサービスを迅速に展開しようとする大きな戦略の流れの一環です。

PRISM Insight: 自動運転タクシー業界は、「単独開発」の時代から「プラットフォーム＋技術パートナー」という分業モデルへと完全に移行しつつあります。ウーバーやリフトのような配車プラットフォームは、巨額の投資が必要な車両開発競争から一歩引き、自社の強みである広大な利用者ネットワークと運行ノウハウに集中する戦略を選びました。これにより、各都市の規制や市場特性に最適な自動運転技術を柔軟に「プラグイン」できるようになり、グローバル展開のスピードを加速させています。ロンドンは、この新たなエコシステムの試金石となるでしょう。