米国の新同盟「パックス・シリカ」からインドが除外、技術覇権競争で問われる戦略的自律性
米国主導の新たな半導体同盟「パックス・シリカ」からインドが除外された。米中技術覇権競争が激化する中、インドが半導体、量子技術、エネルギー分野で直面する課題と自給への道を分析する。
米国主導の新たな半導体同盟から、アジアの主要国が外された。AI時代のサプライチェーン確保を目的とする「パックス・シリカ」構想にインドが含まれなかったことで、技術地政学の新たな局面が浮き彫りになっている。この動きは、トランプ大統領と中国の習近平国家主席が韓国・釜山で会談し、関税と技術規制を巡る緊張緩和で合意した直後のことだった。米中間の「戦術的休戦」の裏で、各国は技術的な防衛網の強化を急いでいる。
半導体自給への遠い道のり
インドの半導体産業は、依然として輸入に全面的に依存している。政府は「半導体ミッション」を掲げ、民間企業に50%の共同出資を行うなど支援を強化。現在、タタ・グループが台湾のPSMCと協力し、国内初の商用半導体製造工場(ファブ)を建設中だ。この工場は2026年初頭までに月産5万枚のウェハー生産を目指している。しかし、中国が44の稼働中ファブに加え22を建設中であるのに対し、インドの取り組みはまだ始まったばかりだ。
量子・エネルギー分野の課題
次世代の国家安全保障を左右するとされる量子技術分野でも、インドの取り組みは初期段階に留まる。「クォンタム・ミッション」の下で4つの研究拠点が設立されたが、ハードウェア開発では大きく遅れを取っている。2022年の公的投資額はインドの10億ドルに対し、中国は153億ドル、米国は37億ドルと、その差は歴然だ。エネルギー分野でも、電気自動車(EV)に不可欠なリチウムイオン電池の85%以上を輸入に頼るなど、脆弱性が指摘されている。
医薬品に潜む中国依存のリスク
インドは世界第3位(数量ベース)の医薬品産業を持つが、そのサプライチェーンは中国に大きく依存している。特に医薬品有効成分(API)の輸入依存度は2024年時点で70%以上に上り、45種類の重要なAPIに至っては完全に海外に依存している状態だ。この問題は2014年に国家安全保障顧問のアジット・ドバル氏が中国への依存度が85%に達していると警鐘を鳴らしており、長年の課題となっている。
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