トランプ家の仮想通貨事業に5億ドル投資したUAE王族、AI半導体アクセス獲得の裏側
UAE国家安全保障顧問がトランプ家のWorld Liberty Financialに秘密投資。数ヶ月後、米国は50万個の最先端AI半導体のUAE販売を承認。利益相反疑惑が浮上。
5億ドルの投資が、50万個のAI半導体アクセスに繋がった可能性がある。ウォール・ストリート・ジャーナルが土曜日に報じた内容は、トランプ政権の政策決定プロセスに新たな疑問を投げかけている。
「スパイ・シェイク」の秘密投資
アラブ首長国連邦(UAE)の国家安全保障顧問であるシェイク・タハヌーン・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーンは、「スパイ・シェイク」として知られる王族だ。彼が支援するAryam Investment社は昨年、トランプ家の仮想通貨事業World Liberty Financialの49%の株式を取得した。
World Liberty Financialは、米ドルに連動したステーブルコイン「USD1」を発行している。同社はドナルド・トランプ大統領と特使のスティーブ・ウィットコフを名誉共同創設者とし、実際の運営はトランプ家とウィットコフ家のメンバーが担っている。
取引はエリック・トランプによって署名され、タイミングは父親の第二期大統領就任の数日前だった。報道によると、この取引でトランプ家関連企業に約1億8700万ドル、ウィットコフ家関連企業に3100万ドルが流れたという。
AI半導体アクセスという「偶然」
タハヌーンは長年、米国の最先端人工知能半導体へのアクセスを求めていた。バイデン政権は、これらの半導体が中国に渡る懸念から、UAE への販売を阻止していた。
しかし、World Liberty Financialへの投資から数ヶ月後の5月、状況は一変した。米国はNvidia製の最先端AI半導体50万個のUAE販売を承認したのだ。さらに注目すべきは、これらの半導体の5分の1がタハヌーン自身のAI企業G42に供給されることだった。
日本の視点から見ると、この動きはソニーやトヨタなどの日本企業にとって重要な意味を持つ。AI半導体の供給チェーンにおいて、UAEが新たなプレーヤーとして台頭することで、日本企業の調達戦略にも影響を与える可能性がある。
議会からの強い批判
上院銀行委員会の民主党筆頭委員であるエリザベス・ウォーレン議員は「これは明白な腐敗だ」と厳しく批判した。彼女はトランプ政権にUAEへの機密AI半導体販売決定の撤回を求めている。
ウォーレン議員はウィットコフ、ホワイトハウスAI・仮想通貨担当のデビッド・サックス、ハワード・ルトニック商務長官に対し、「大統領の仮想通貨企業を利益にするために米国の国家安全保障を売り渡した」疑いについて議会証言を求めた。
ホワイトハウス報道官のアンナ・ケリーは「利益相反は存在しない」と反論し、ウィットコフは「世界平和というトランプ大統領の目標を推進するために働いている」と述べた。
前例のない透明性の欠如
トッド・ブランシェ司法副長官は日曜日のABCの番組で、「バイデン一家とバイデン政権も全く同じことをしていた」と反論した。共和党とトランプ陣営は長年、バイデン一家の海外ビジネスを巡る腐敗を指摘してきたが、下院での弾劾調査でもバイデンの不正行為の証拠は見つからなかった。
しかし、今回のケースが特異なのは、投資と政策決定のタイミングの近さだ。日本の政治文化では、このような「疑念を持たれる行為」自体が問題視される傾向がある。
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