トランプが「大艦隊」でイラン圧迫、核協議の時間切れを警告
トランプ大統領がペルシャ湾に大規模海軍力を展開し、イランに核協議への復帰を迫る。両国の緊張が高まる中、日本のエネルギー安保への影響も懸念される。
「時間切れが迫っている」。ドナルド・トランプ米大統領がイランに向けて放った警告は、ペルシャ湾に展開する「大規模な艦隊」という軍事的な裏付けを伴っていた。
軍事圧力と外交の狭間
トランプ大統領は自身のSNSで、USS エイブラハム・リンカーンを旗艦とする大規模海軍部隊がイランに向けて「迅速に、強大な力、熱意、そして目的を持って」移動していると発表した。この艦隊について「ベネズエラに派遣したものより大規模」と説明し、「必要であれば速やかに、そして激しく任務を遂行する準備ができている」と威嚇的なメッセージを送った。
一方、イランの国連代表部は「相互尊重と利益に基づく対話の準備はできている」と応答しつつも、「押し付けられれば、これまでにない方法で自国を防衛し対応する」と大文字で反発を示した。
昨年6月に米軍がイランのフォルド、ナタンツ、イスファハンのウラン濃縮施設を攻撃した「ミッドナイト・ハンマー作戦」について、トランプ氏は「次の攻撃はもっと酷いものになる」と警告。イラン側は報復としてカタールの米軍基地にミサイル攻撃を行ったが、トランプ氏はこれを「非常に弱い」「予想通り」と一蹴していた。
抗議デモ弾圧という複雑な背景
トランプ氏の核問題への警告は、イラン国内の深刻な状況と重なっている。昨年12月末から続く抗議デモに対する当局の弾圧で、米国に拠点を置く人権活動家ニュース機関(HRANA)は6,220人以上の死亡を確認したと発表。うち5,858人が抗議参加者だという。ノルウェーを拠点とするイラン人権団体(IHR)は、最終的な犠牲者数が25,000人を超える可能性があると警告している。
当初、トランプ氏は抗議者に向けて「助けが向かっている」と支援を約束したが、後に「処刑は止まったと信頼できる筋から聞いた」と発言を修正している。
日本への波及効果
ペルシャ湾の緊張は日本にとって他人事ではない。同地域は日本の石油輸入の約9割を占める重要なシーレーンだ。軍事衝突が現実化すれば、エネルギー価格の急騰は避けられず、すでにインフレ圧力に直面する日本経済にさらなる打撃を与える可能性がある。
日本政府は伝統的にイランとの関係を維持してきたが、米国との同盟関係とのバランスを取る難しい立場に置かれている。2019年のホルムズ海峡での日本関係船舶への攻撃事件を受け、海上自衛隊による情報収集活動を継続しているものの、今回の緊張エスカレーションにどう対応するかが注目される。
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