トランプ支持者たちの「後悔」が示すもの
アリゾナ州の食祭り業者から19歳の新有権者まで、2024年にトランプに票を投じた人々が今、何を感じているのか。2026年中間選挙を前に揺れるアメリカの民心を追う。
「トランプが口を開けば、言うことの4分の3は作り話か嘘だ」——そう語るのは、アリゾナ州カサグランデで屋台を営むトーマス・モントヤさんだ。彼は2024年の大統領選でトランプに投票した。しかし今、ディーゼル燃料は1ガロン6ドルに達し、従業員に十分なシフトを与えることもできない。今夏はカリフォルニアへの遠征を断念するかもしれないという。
モントヤさんのような人物は、今のアメリカに数多く存在する。
「あの一票」への後悔
アリゾナ州第6選挙区は、2024年にトランプがわずか1ポイント未満の差で勝利した激戦区だ。この地域を取材すると、2年前の自分の選択を悔やむ声が次々と聞こえてくる。
61歳のトレイシー・カルボさんは、固定収入で生活する民主党支持者だ。物価を下げるという公約を信じてトランプに投票したが、今の生活は2024年より貧しいと言う。ガソリン代が高騰し、教会の聖書勉強会にも行けず、ボランティア活動も減り、運動教室にも足が向かなくなった。そして、イランとの戦争が「限界点」だったと語る。「彼はただ戦争がしたいだけだと思う」と彼女は言った。
19歳のスリエル・レイエスさんは、2024年が初めての選挙だった。来年には陸軍に入隊する予定だが、今は「大統領が奇妙な戦争ゲームで私たちの命を危険にさらしている」と感じている。彼女は今、「政府を信頼できない」と話す。
連立の亀裂——どこまで広がるのか
支持離れは「普通の有権者」にとどまらない。リバタリアン系のマノスフィア(男性向けオンラインコミュニティ)では、エプスタイン関連文書の扱いや移民政策、そしてイラン問題をめぐってトランプへの疑念が広がっている。イースターの日曜日にトランプが「文明全体を消滅させる」と発言すると、かつての熱烈な支持者だったタッカー・カールソンやアレックス・ジョーンズ、そしてメーガン・ケリーまでもが公然と批判した。
さらに大きな波紋を呼んだのが、AIで生成されたイエス・キリストに扮したトランプの画像だ。長らくトランプの最後の砦だったキリスト教保守派が激しく反発した。デイリー・ワイヤーのレポーターは「冒涜だ」と断じ、ある牧師は「悪魔に憑かれている」とまで言い切った。トランプはその後、投稿を削除したが、批判者への反論も忘れなかった。
世論調査の数字は厳しい。トランプの現在の支持率は、2018年中間選挙直前の水準を下回っている。2018年といえば、民主党が下院を奪還した「青い波」の年だ。無党派層、若年層、ラテン系有権者——2024年の勝利を支えた層がことごとく離れつつある。さらに、かつてトランプの最強の支持基盤だった非大卒の白人層でさえ、CNNの世論調査平均によれば支持が落ちている。民主党寄りの有権者は、共和党寄りの有権者より17ポイントも「非常に強く投票したい」と答えている。
共和党が直面する「資金と士気」の問題
選挙戦の実務面にも影響が出ている。あるジョージア州の共和党郡委員長によれば、経済の不安定さを理由に、通常の半額しか寄付しない支持者が増えているという。イランへの攻撃が始まった3月初め以降、小口献金が急落したと複数の共和党コンサルタントが証言している。接戦区では、この資金不足が選挙結果を左右しかねない。
トランプ自身も、明日のアリゾナ訪問はわずか2時間の滞在に留まる予定だという。かつての何時間にも及ぶ大規模集会とは対照的だ。あるGOP(共和党)コンサルタントは「トランプが集会を開くと、前日・当日・翌日とニュースを独占する。有権者に怒りを思い出させるだけだ」と語った。
日本への視点——「アメリカの内側」が問うもの
この話は、遠いアメリカの地方政治の話ではない。トヨタ、ホンダ、ソニーをはじめとする日本企業は、アメリカ市場に深く根ざしている。トランプ政権の関税政策や経済運営がアメリカの消費者マインドを冷やし、政治的混乱が長引けば、その影響は対米輸出や現地生産の戦略にも波及しうる。
より本質的には、この現象は「ポピュリズムの賞味期限」という問いを提起する。日本でも、既存政党への不信感や経済的不満が政治行動を変えてきた歴史がある。「変化」を求めて投じた一票が、期待と現実のギャップに直面したとき、有権者はどう行動するのか。
モントヤさんはトランプに「3週間」の猶予を与えると言った。戦争を終わらせ、経済を立て直せるなら、また支持するかもしれない。だが今は、エアコンの温度を上げ、食費を切り詰め、11月の選挙に向けて「選択肢を調べている」という。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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