最高裁判決で弱体化したトランプ、習近平との首脳会談で劣勢に?
米最高裁がトランプ関税政策を違法判決、中国訪問を控えた大統領の交渉力に打撃。日本企業にとっては貿易環境改善の可能性も
3月31日から4月2日まで予定されているトランプ大統領の中国訪問が、思わぬ逆風に見舞われている。米最高裁判所が大統領の看板政策である関税措置を違法と判断したのだ。
最高裁判決がもたらした打撃
米最高裁は2月21日、トランプ政権の関税政策を違法とする判決を下した。これは大統領が2017年の初回訪中以来となる中国訪問を控えたタイミングでの痛手となった。
北京人民大学の石銀紅教授(国際関係論)は「最高裁判決は明らかにトランプ氏の対中貿易交渉における切り札を弱めた」と分析する。関税という最大の圧力手段を失ったトランプ氏が、習近平主席との交渉でどこまで主導権を握れるかが焦点だ。
中国側の戦略的計算
一方で、石教授は中国側の自動的な優位性については慎重な見方を示す。「トランプ氏の取引重視のアプローチを考えると、北京は彼が『成功物語』として国内に持ち帰れるような譲歩を準備する必要がある」と指摘する。
中国の輸出業者からは早速、楽観的な声が聞かれる。米国向け輸出に携わる企業関係者は「関税撤廃の可能性が高まれば、我々にとっては朗報だ」と期待を込める。
日本企業への波及効果
米中関係の変化は、両国に深く関わる日本企業にも影響を与える。トヨタやソニーなど、中国で生産し米国に輸出する日本企業にとって、関税環境の改善は製造コスト削減につながる可能性がある。
特に半導体関連では、日本の部品メーカーが中国の組み立て工場を経由して米国市場に製品を送るケースが多い。関税政策の見直しは、こうしたサプライチェーンの効率化を促進するかもしれない。
国際社会の視線
今回の最高裁判決は、米国の三権分立制度の健全性を示すものとして国際社会から注目されている。一方で、対中強硬策を支持してきた共和党内からは、司法による行政への介入を批判する声も上がっている。
習近平主席は今年後半に米国を訪問する予定で、両首脳の相互訪問が米中関係の新たな局面を開く可能性がある。ただし、根深い構造的対立が短期間で解決される見通しは薄い。
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