トランプ大統領、イラン取引国への関税措置を発動
トランプ政権がイランと取引する全ての国に25%の追加関税を課す大統領令に署名。核交渉と並行して経済圧力を強化する新戦略の真意とは。
25%の追加関税——トランプ大統領が2月6日に署名した大統領令は、イランと取引する全ての国を対象とした前例のない経済制裁措置だ。この命令は2月7日午前0時1分(ワシントン時間)から発効し、世界の貿易地図を一変させる可能性がある。
包括的制裁の仕組み
新たな大統領令によると、イランから「直接的または間接的に」商品やサービスを購入、輸入、取得する国の製品に対して、米国は追加関税を課すことができる。商務長官が外国のイランとの取引を判定し、国務長官が関税の必要性と程度を決定する仕組みだ。
この措置は1月12日のトランプ氏のソーシャルメディア投稿を具体化したものだ。当時、反政府デモに対するイラン政府の「血なまぐさい弾圧」を理由に、イランと取引する国には25%の関税を課すと警告していた。
イランとの核交渉が進行中のタイミングでの発表は、軍事的圧力ではなく経済的締め付けによってテヘランの譲歩を引き出そうとする戦略を示している。
日本企業への波及効果
日本にとって、この措置は複雑な課題を突きつける。イランは歴史的に重要な石油供給国であり、日本は2018年までイラン産原油の主要輸入国の一つだった。現在は米国の制裁により取引を停止しているが、間接的な取引関係は完全には排除できない。
特に注意が必要なのは、第三国を経由した間接取引だ。中国やロシアなどイランと活発に取引する国から原材料を調達する日本企業は、知らぬ間に制裁対象となるリスクを抱える。トヨタ、ソニー、任天堂など米国市場に大きく依存する企業にとって、サプライチェーンの再点検が急務となる。
国際社会の反応と課題
欧州連合諸国は既にこの措置に懸念を表明している。特にドイツやフランスはイラン核合意(JCPOA)の維持を支持しており、一方的な制裁強化には反発している。中国とロシアはイランとの貿易継続を明言しており、米国との貿易戦争の新たな火種となる可能性が高い。
この措置の実効性には疑問も残る。イランの主要貿易相手国である中国は既に米国との貿易摩擦を抱えており、追加関税の威嚇効果は限定的かもしれない。むしろ、米中デカップリングを加速させ、イランを中国経済圏により深く組み込む結果を招く恐れもある。
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