ホルムズ海峡封鎖——日本は「希望」に応えるか
トランプ大統領がホルムズ海峡の安全確保に向け、日本・韓国・中国などに艦船派遣を呼びかけた。世界の石油供給の約2割を担うこの海峡の緊張が、日本のエネルギー安全保障と外交に何を問いかけるのか。
日本が輸入する原油の約9割は、中東からタンカーで運ばれてくる。その多くが通過するのが、幅わずか約33キロメートルのホルムズ海峡だ。
「希望する」——トランプの言葉が意味するもの
2026年3月14日、ドナルド・トランプ大統領はソーシャルメディア「Truth Social」に投稿した。「中国、フランス、日本、韓国、英国、そしてこの人為的な制約によって影響を受けているその他の国々が、艦船を現地に派遣してくれることを望む」。
「希望する(hopefully)」という言葉は、命令でも要求でもない。しかしその背景には、米軍が2月28日から開始したイランへの軍事作戦という重い文脈がある。トランプ氏はイランの軍事能力を「100%」破壊したと主張しつつも、「ドローン1機、機雷1つで、どれだけ敗北していても海峡を脅かすことはできる」と認めている。
イランの新最高指導者、アヤトラ・モジュタバー・ハメネイ師は3月13日、海峡封鎖を「レバー(てこ)」として使い続けると宣言した。米軍の激しい空爆にもかかわらず、イランは屈服の姿勢を見せていない。
日本にとっての現実
ホルムズ海峡は、世界の石油供給の約5分の1が通過する。日本にとってこれは数字の問題ではなく、生活の問題だ。電力、ガソリン、プラスチック製品、食品の輸送コスト——エネルギーは経済のあらゆる層に浸透している。
海峡が実質的に封鎖された場合、日本が直面するシナリオは厳しい。2022年のロシアによるウクライナ侵攻後のエネルギー価格高騰は、日本でも光熱費の急上昇を招いた。ホルムズ海峡の混乱は、それを上回る規模になりうる。
トヨタや新日本製鉄のような製造業大手は、エネルギーコストの上昇に直接さらされる。すでに円安と資材費高騰に苦しむ中小企業にとっては、さらなる打撃となりかねない。
「派遣」の複雑さ
しかし、艦船を派遣するとはどういうことか。日本の自衛隊法と憲法解釈は、集団的自衛権の行使に厳格な制約を設けている。2019年、当時の安倍政権は中東への自衛隊派遣を決定したが、それは「情報収集」という名目に限定されたものだった。米軍と共同で戦闘に関与することは、政治的にも法的にも別次元の問題だ。
一方で、日本が何もしないという選択肢にも代償が伴う。日米同盟の枠組みの中で、同盟国としての「応分の負担」を求める声は以前から存在する。トランプ政権はとりわけ、同盟国の「ただ乗り」に批判的だ。
さらに複雑なのは、トランプ氏が名指しした国の中に中国が含まれていることだ。米中が同じ目的のために艦船を派遣するという構図は、地政学的には異例であり、現実的かどうかも疑問符がつく。
外交的なジレンマ
日本はイランとも独自の外交チャンネルを持つ。石油輸入の歴史的な経緯から、日本はイランとの関係を完全に断ち切ることなく維持してきた。米国主導の軍事作戦に積極的に参加することは、そのチャンネルを閉じることを意味しかねない。
また、北朝鮮の動向という別の安全保障上の懸念も重なる。在韓米軍からのパトリオットミサイルシステム移動に関する報道が出ており、中東への米軍資産の集中が朝鮮半島の抑止力を低下させるという懸念が、日韓両国で共有されている。
日本政府はこれまでのところ、トランプ発言に対する公式見解を慎重に保っている。「外交ルートを通じて緊密に連携する」という定型句の裏に、複雑な計算がある。
記者
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