マドゥロ氏拘束で揺れるラテンアメリカ、トランプ政権の「新モンロー主義」は中国を排除できるか
2026年、米軍の作戦によりベネズエラのマドゥロ氏が拘束。トランプ政権は「新モンロー主義」を掲げ、ラテンアメリカにおける中国の影響力を排除する新たな国家安全保障戦略を加速させています。経済・軍事の両面から迫る米国の新戦略を詳報します。
米国境からわずか600マイルの距離にあった反米体制が、劇的な終焉を迎えようとしています。米軍による電撃的な軍事作戦によって拘束されたベネズエラの独裁者ニコラス・マドゥロ氏は現在、ニューヨークで裁判を待つ身となっています。拘束の数時間前まで中国の特使を迎え入れていたマドゥロ氏の失脚は、ラテンアメリカにおける中国共産党(CCP)の野心に冷や水を浴びせる形となりました。
トランプ政権の国家安全保障戦略と「モンロー主義」の復活
ドナルド・トランプ大統領が掲げる新たな「国家安全保障戦略(NSS)」は、かつてのモンロー主義を現代版にアップデートした「トランプ・コロラリー(トランプの系)」を宣言しました。これは、西半球における米国の優位性を回復し、敵対的な外国勢力による介入や重要資産の所有を阻止することを目的としています。過去数十年にわたり、中国は北米以外の上位5カ国中4カ国で最大の貿易相手国となり、米国の足元を脅かしてきました。
中国はベネズエラに対して600億ドル以上の融資を行い、制裁下の石油を安価で購入することでマドゥロ政権を支えてきました。さらに、キューバの諜報施設の拡張や、メキシコの麻薬カルテルを通じたフェンタニル流入への関与など、中国の影は安全保障のあらゆる面に及んでいます。トランプ政権は、これらの「戦略的怠慢」に終止符を打つため、あらゆる外交・経済手段を動員する方針です。
経済安全保障の再構築と中国依存からの脱却
米国は、アルゼンチンやエクアドルとの新たな貿易協定を足がかりに、投資審査や輸出管理を強化するパートナーシップ網を広げています。特にUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の2026年共同見直しでは、メキシコを経由した中国製品の迂回輸出を阻止するための投資審査メカニズムの導入が焦点となります。また、ラテンアメリカに豊富に眠る希少地球類(レアアース)や重要鉱物を活用し、中国を排除した「西半球サプライチェーン」の構築を目指しています。
記者
関連記事
トランプ政権が推進するホワイトハウス新宴会場の建設費用は当初の2億ドルから10億ドル超に膨張。連邦裁判所の差し止め命令と議会の反発を受けながら、政権は銃撃事件を「安全保障上の緊急性」として建設継続を正当化しようとしています。
2026年5月24日、ホワイトハウス近くのチェックポイントで男が発砲。シークレットサービスが応戦し容疑者は死亡。わずか1か月で2度目の銃撃事件が示すものとは。
中国山西省の炭鉱で爆発事故が発生し、少なくとも90人が死亡。2009年以来最悪の惨事が示す、安全管理の構造的課題とエネルギー政策のジレンマを読み解く。
フランスがアフリカの民間セクターに2兆9000億円を投資。中国の影響力に対抗し、欧州の存在感を再構築しようとするマクロン大統領の戦略を多角的に読み解きます。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加