トランプ、イラン軍事行動の決断を世界が固唾を呑んで待つ中
トランプ大統領が一般教書演説でイラン政策を明確にせず、ジュネーブでの核交渉が重要な局面に。日本のエネルギー安保への影響も懸念される。
世界最大の軍事力を持つ司令官が、その次の一手を明かさない時、世界は息を潜める。ドナルド・トランプ大統領は史上最長となった一般教書演説で、中東における軍事行動の可能性について明確な方針を示さなかった。
2003年以来最大の軍事展開
現在中東には、2003年のイラク侵攻以来最大規模のアメリカ軍が展開している。ジョージ・W・ブッシュ元大統領が20年前に行ったような、軍事介入への地ならしとも取れる動きだ。しかし、トランプ氏は「戦争よりも取引を好む」と繰り返し、最終決断を先延ばしにしている。
外交筋によると、「トランプ大統領が使節を通じてテヘランから受け入れ可能な文書を受け取らなければ、何らかの軍事行動を近く命令する可能性が高い」という。木曜日に予定されているジュネーブでの第3回交渉が、決断の分水嶺となりそうだ。
核兵器開発への疑念
トランプ氏は演説で一貫した要求を繰り返した。「彼らから『我々は決して核兵器を望まない』という秘密の言葉を聞いていない」。皮肉なことに、数時間前、イランのアッバス・アラグチ外相はXで「イランはいかなる状況下でも核兵器を開発しない」とほぼ同じ表現でつぶやいていた。
問題は言葉ではなく、説得力のある証拠だ。イランは制裁解除と引き換えに核開発計画での妥協を示唆している。60%という兵器級に近い濃縮ウランの希釈も新たに提案している。
日本への波及効果
中東情勢の緊迫化は、エネルギー輸入に依存する日本にとって他人事ではない。ホルムズ海峡の封鎖リスクが現実化すれば、原油価格の急騰は避けられない。すでに円安で苦しむ日本経済にとって、さらなる輸入コストの上昇は深刻な打撃となるだろう。
トヨタやホンダなどの自動車メーカーは、既にサプライチェーンの見直しを進めているが、中東危機の長期化は計画の根本的な変更を迫る可能性がある。
交渉の行方
今回の交渉には、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長がより深く関与している。技術的な詳細を詰める作業が、昨年の5回の交渉よりも具体的に進んでいるという。
イラン最高指導者ハメネイ師の側近であるアリ・ラリジャニ氏も交渉に密接に関わっている。「双方の交渉担当者は取引を望んでいる。しかし、最終決定者が何を受け入れる用意があるかは不明だ」と関係筋は語る。
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