トランプ、最高裁判決を受け新たな10%関税を発表
米最高裁が緊急関税を違憲と判断した直後、トランプ大統領が1974年通商法を根拠に新たな10%全世界関税を発表。日本企業への影響は?
最高裁に敗れても、なぜトランプ大統領は関税政策を諦めないのか?
2月20日、ドナルド・トランプ米大統領は記者会見で、米最高裁が緊急経済権限法(IEEPA)に基づく包括的関税を違憲と判断したことを受け、新たな10%の全世界関税を発表した。今度は1974年通商法第122条を根拠とする措置だ。
法的根拠を変えた関税政策の継続
「今日、私は通常の関税に加えて、第122条に基づく10%の全世界関税を課す命令に署名する」。トランプ大統領は記者会見でこう述べ、3日以内に発効する可能性があると明言した。
最高裁判決で韓国をはじめとする貿易相手国への「相互」関税が無効となったが、大統領は「IEEPAよりも強力な措置が利用可能だ」と強調。1974年通商法第301条に基づく調査も開始すると発表した。
興味深いのは、トランプ大統領の反応だ。最高裁判事を「国家の恥」と批判し、「外国の利益と政治運動に影響された」と主張。判決後に外国が「踊って喜んでいる」が、「長くは続かない」と断言した。
日本企業への波及効果
10%の追加関税は、すでに高い関税負担に苦しむ日本企業にさらなる打撃となる可能性が高い。トヨタやソニーなど米国市場に依存する企業は、価格競争力の低下や利益率の圧迫に直面するだろう。
特に注目すべきは、この措置が「全世界」を対象としている点だ。従来の二国間交渉とは異なり、日本が個別に例外措置を求めることが困難になる可能性がある。
司法vs行政の対立が示すもの
今回の展開は、米国の三権分立システムにおける深刻な対立を浮き彫りにしている。最高裁が大統領の権限に歯止めをかけようとする一方、行政府は別の法的根拠を見つけて政策を継続しようとする。
この「いたちごっこ」は、米国の政治制度が想定していない状況かもしれない。大統領が司法判断を公然と批判し、別の手段で同様の政策を推進する姿勢は、法の支配に対する挑戦とも受け取れる。
国際社会の反応と日本の立場
EUやカナダなどの同盟国は、すでに報復関税の準備を進めている。日本政府も対応策の検討を迫られるが、日米同盟の重要性を考慮すると、直接的な対立は避けたいのが本音だろう。
一方で、日本の多国間貿易体制への信頼は揺らいでいる。CPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)やRCEP(地域的な包括的経済連携協定)など、米国を除く枠組みでの経済統合がより重要になる可能性がある。
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