トヨタはなぜ車を売らずにアートを?横浜の展示会が示す「体験」重視の未来戦略
世界最大の自動車メーカー、トヨタが横浜でデジタルアート展を開催。単なる車作りを超え、「感動体験」の提供を目指す同社の新たなブランド戦略と未来のモビリティ像を読み解きます。
世界最大の自動車メーカーは、なぜ車の展示会ではなく、アートの展示会を開いたのでしょうか?トヨタグループが2025年12月20日から横浜で開始したデジタルアート展は、同社が単なる自動車の製造・販売企業から脱却しようとする最新の試みです。これは、手頃な価格の車を提供するだけでなく、「感動体験」という新たな価値をブランドに根付かせようとする戦略的な動きと見られます。
横浜に現れた「動く美術館」
横浜の施設「Moveum Yokohama」では、グスタフ・クリムトなどオーストリアの巨匠たちの作品が、壁や床一面にデジタルプロジェクションとして映し出されています。この展示会は、来場者に没入感のある芸術体験を提供することを目的としており、伝統的な自動車メーカーのイメージを覆すものとなっています。
「モノ」から「コト」へ:トヨタの狙い
今回の展示会は、トヨタの多角化戦略の一環です。同社は近年、実験都市プロジェクトや、ポルシェやフェラーリに対抗する超高級スポーツカーの開発、最高級ブランド「センチュリー」の再定義など、従来の事業領域を超える動きを加速させています。その根底にあるのは、ハードウェアとしての「モノ(車)」の価値だけでなく、移動時間を含めたライフスタイル全体で提供する「コト(体験)」の価値を高めたいという考えです。
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