シリア軍がアレッポ東部へ進軍、クルド勢力撤退後の「統合」と残る火種 2026
2026年1月、シリア軍がアレッポ東部のデイル・ハフェルに進駐。クルド勢力SDFの撤退と、シャラア大統領によるクルド語の公用語化という歴史的譲歩の裏で、憲法改正を巡る緊張が続いています。最新の地政学情勢を詳しく解説。
握手は交わされましたが、その手にはまだ力が込められています。シリア軍はアレッポ市東部の戦略的拠点であるデイル・ハフェルに進駐を開始しました。これはクルド人勢力の主力であるSDF(シリア民主軍)が撤退を開始したことを受けた動きです。アレッポから約50km離れたこの町での軍事的空白を埋める形で、政権軍が支配権を確立しつつあります。
シリア軍のアレッポ東部進出とクルド語の公用語化
今回の撤退は、アメリカ当局との協議、そしてアハメド・アル=シャラア大統領による歴史的な譲歩が背景にあります。2026年1月16日、シャラア大統領はクルド語を国の公用語に指定し、クルドの新年(ネウロズ)を祝日に認定する政令を発表しました。これは1946年の独立以来、初めてクルド人の権利を正式に認める画期的な動きです。政府は、クルド人をシリアの「不可欠な一部」と位置づけ、軍事・文民組織の国家機関への統合を急いでいます。
依然として続く緊張と不透明な将来
しかし、長年の不信感を拭い去るには至っていません。シリア軍は、移動中にクルド勢力の攻撃により兵士2名が死亡したと主張する一方、SDF側は政府軍の進駐が早すぎると批判しています。クルド側は今回の政令を「第一歩」と評価しつつも、一時的な政令ではなく、民意を反映した「恒久的な憲法」の制定を強く求めています。現地ではこれまでに少なくとも4,000人の市民が避難しており、軍は地雷の除去が終わるまで戻らないよう呼びかけています。
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