予測市場で「内部者取引」疑惑、120万ドルの利益獲得
Polymarketで米国のイラン攻撃を事前に予測した6つのアカウントが120万ドルを獲得。規制当局が監視を強化する中、予測市場の透明性に疑問符
2月28日午前、米国がイランへの軍事攻撃を開始する数時間前、Polymarket上の6つのアカウントが「米国は2月28日までにイランを攻撃するか?」という賭けに大金を投じていた。結果は彼らの予想通り。約120万ドルという巨額の利益を手にした。
しかし、ここに不可解な点がある。これらのアカウントはすべて攻撃の24時間以内に資金調達され、他に取引履歴は一切なかった。
疑惑の取引パターン
ブロックチェーン分析企業Bubblemapsの調査によると、最も大きな利益を得たアカウントは56万枚以上の「Yes」株を1枚約10.8セントで購入し、市場が1ドルで決済された際に約56万ドルの利益を獲得した。別のアカウントは約15万枚を20セントで購入し、6桁の利益を上げている。
6つのアカウントすべてが2月に作成され、類似の資金調達ルートを通じて運営されていた。この契約の取引量は約9000万ドルに達し、12月以降の関連市場全体では5億2900万ドルを超える賭けが行われていた。
攻撃後、ビットコインの価格は下落し、Hyperliquidの石油先物は地域紛争への懸念から上昇した。
規制当局の対応強化
この疑惑は、米国規制当局が予測市場における内部者取引の監視を強化している最中に浮上した。今週、競合プラットフォームKalshiは内部者取引で2名のユーザーを処分したと発表。そのうち1名はMrBeastの「Beast Games」の視覚効果編集者で、番組の結果に関する知識を悪用したとされる。
商品先物取引委員会(CFTC)は諮問文書を発行し、イベント契約での内部者取引が米国法に違反する可能性があると警告。Mike Selig委員長は取引所を「第一線の防衛」と位置づけた。
興味深いことに、Polymarketのトレーダーたちは「内部者取引に関する市場」でも内部者取引を行っているようだ。ブロックチェーン調査員ZachXBTが暗号プラットフォームに関する調査結果を公表すると予告した際、どの企業が名指しされるかを賭ける契約が作成され、一部のユーザーがAxiom社に大金を賭けていた。
日本への示唆
日本では金融商品取引法により内部者取引が厳格に規制されているが、暗号資産や予測市場は比較的新しい分野だ。金融庁は暗号資産交換業者への監督を強化しているものの、海外の予測市場プラットフォームでの日本人の取引については監視の目が届きにくい状況にある。
今回の事件は、分散型金融(DeFi)の匿名性が持つ二面性を浮き彫りにしている。透明性を謳うブロックチェーンでも、実際の取引者の特定は困難で、規制の実効性に課題が残る。
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