スリランカ沖で米軍が撃沈したイラン軍艦、87名死亡の衝撃
米潜水艦がスリランカ沖でイラン軍艦を魚雷攻撃、87名死亡。中東戦争がインド洋に拡大し、日本のシーレーン安全保障に新たな懸念
87名のイラン海軍兵士が命を落とした。3月4日、スリランカ沖の国際水域で、米潜水艦がイラン軍艦IRIS Denaを魚雷で撃沈したのだ。
突然の攻撃、スリランカが直面する危機
イラン外相アラグチは「米国は海上で残虐行為を犯した。イランの海岸から3200キロも離れた場所で」と強く非難した。撃沈されたIRIS Denaは、インド海軍の国際海事イベントに参加した帰路だった。130名近くの乗組員を乗せ、何の警告もなく攻撃を受けたという。
スリランカのジャヤティッサ内閣報道官は「我々は命を守るために最善を尽くしている」と述べた。同国南部ガレ港では、32名の救助されたイラン兵士が厳重な警備下で治療を受けている。病院関係者によると、多くは軽傷だが、骨折や火傷を負った者もいるという。
問題は、第2のイラン軍艦が同じ海域に向かっていることだ。100名以上の乗組員を乗せたこの艦船は、エンジントラブルを理由にスリランカ当局に入港を要請している。しかし、スリランカ政府は中立を保ちつつも「卵の殻の上を歩くような」状況に置かれている。
戦火がインド洋へ、日本への影響は
今回の事件は、中東での米イスラエル・イラン戦争がインド洋にまで拡大したことを意味する。イラン革命防衛隊のヘイダリ司令官は「我々はアメリカ人がいる場所ならどこでも戦う決意だ」と宣言。同日、革命防衛隊はペルシャ湾北部で米タンカーを攻撃し、炎上させたと発表した。
この海域は、日本にとって極めて重要なシーレーンだ。中東からの石油輸送ルートであり、東南アジアとの貿易路でもある。戦闘がインド洋に拡大すれば、トヨタやソニーなどの製造業のサプライチェーンにも影響が及ぶ可能性がある。
興味深いのは、イランが「国際海事イベント」の帰路で攻撃を受けた点だ。これは通常の軍事作戦ではなく、国際的な海軍交流の一環だった。しかし、米国は戦時下であることを理由に、この区別を認めなかった。
中立国の苦悩、そして新しい戦争の形
スリランカの状況は、現代の紛争に巻き込まれる中立国の典型例だ。自国の領海外で起きた戦闘の犠牲者を治療し、遺体を引き渡す責任を負わされている。同国は2009年まで内戦を経験し、平和の重要性を痛感している国だけに、この状況は複雑だ。
日本もまた、似たような立場に置かれる可能性がある。憲法上の制約がありながらも、同盟国である米国との関係、そして地域の安定維持という責任の間で難しい選択を迫られるかもしれない。
記者
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