欧州銀行連合、デジタルドル支配に挑戦状
スペイン大手銀行BBVAがユーロ建てステーブルコイン開発プロジェクトに参加。3000億ドル市場でドル建てトークンが圧倒的優位な中、欧州12行が結束して対抗
3000億ドルのステーブルコイン市場で、ユーロ建てトークンのシェアはわずか8.6億ドル。この圧倒的な格差に、欧州の銀行界が本格的な反撃を開始した。
スペイン第2位の銀行BBVAが、オランダを拠点とするQivalisプロジェクトに参加することを発表した。同プロジェクトには既にBNPパリバ、ING、ユニクレディットなど欧州の主要銀行が名を連ね、BBVAの参加により参加行は12行に達した。
ドル支配の現実
現在のステーブルコイン市場は、エルサルバドルを拠点とするテザーの1850億ドル規模のUSDTと、ニューヨークのサークルが発行する700億ドルの*USDCが圧倒的なシェアを占めている。一方、ユーロ建てトークンの時価総額は全体の0.3%にも満たない。
この現状は、欧州企業にとって深刻な問題を意味する。ブロックチェーン上での決済や取引を行う際、自国通貨であるユーロではなく、第三国の通貨に依存せざるを得ない状況が続いているのだ。
QivalisのCEOで元Coinbase Germany幹部のヤン・オリバー・セル氏は「欧州の銀行機関が共同で、銀行が提供する信頼に基づいた欧州のオンチェーン決済エコシステムを開発することへの献身が高まっている」と述べている。
規制という武器
欧州連合が持つ最大の武器は、厳格な規制フレームワークMiCA(Markets in Crypto-Assets)だ。Qivalisは現在、オランダ中央銀行から電子マネー機関としての認可を申請中で、2026年後半にトークンのローンチを予定している。
BBVA CIBのパートナーシップ・イノベーション責任者アリシア・ペルトゥサ氏は「銀行間の協力は、未来の銀行モデルの進化を支える共通基準を作るために重要だ」と強調した。
従来の暗号資産ネイティブなステーブルコインとは異なり、このプロジェクトは確立された銀行ネットワークによって支えられるトークンの創造を目指している。これにより、欧州域外の第三者プロバイダーや従来の金融レールに依存することなく、ユーロでのブロックチェーンベースの決済と決済が可能になる。
日本への示唆
日本の金融界にとって、この動きは重要な示唆を与える。日本でも三菱UFJ銀行やみずほ銀行などがデジタル通貨の研究を進めているが、欧州のような大規模な銀行連合による取り組みは見られない。
アジア太平洋地域では、中国のデジタル人民元が先行する中、日本円建てのステーブルコインの必要性も議論されている。欧州の事例は、国内銀行が連携してデジタル通貨インフラを構築することの重要性を示している。
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