キャサリン・オハラ逝去:「型にはまらない」才能が愛された理由
『ホーム・アローン』から『シッツクリーク』まで、キャサリン・オハラが71年の人生で見せた「予想を裏切る」演技力の真髄とは
「彼女は人々が気づかないレベルで作品に取り組んでいる」。1988年、映画『ビートルジュース』の公開直後、監督ティム・バートンはこう語った。彼が絶賛したのは、作品を「盗んだ」と評したキャサリン・オハラだった。
71歳でこの世を去ったキャサリン・オハラ。彼女の訃報は、単なる女優の死を超えて、ハリウッドが長年見落としてきた「型破りな才能」の終焉を意味している。
「ただのお母さん」という誤解
多くの人がオハラを初めて知ったのは、1990年の『ホーム・アローン』だろう。マコーレー・カルキン演じる少年ケビンを置き去りにしてしまう母親ケイト役。一見すると、慌てふためく「ただの母親」に見える。
実際、2023年にカルキンがハリウッド・ウォーク・オブ・フェームで星を受け取った際、オハラは興味深いエピソードを披露した。映画館で二人の少年が「ただのお母さんだから」とトイレを我慢していたという話だ。
しかし、この「ただのお母さん」こそがオハラの真骨頂だった。彼女は「Keeev-uhn!」という叫び声を、カルキンの顔をはたくシーン並みに印象的なものにした。空港で途方に暮れる彼女の表情は、映画に暖かさをもたらし、『ホーム・アローン』を毎年のクリスマス定番にする要因となった。
予想を裏切り続けた多面性
オハラの真の才能は、「予想を裏切る」ことにあった。SCTVでの即興コメディから出発した彼女は、『シッツクリーク』の大げさなモイラ・ローズから『ビートルジュース』の気取ったディーリア・ディーツまで、極端なキャラクターを演じながらも、常にリアリティを失わなかった。
「私が受けるオファーのほとんどは、すでにやった仕事の繰り返しだった」と1988年に語ったオハラ。「同じことを繰り返したくなかった。問題は、他のことをやる機会を得るのが非常に難しいことで、特に『他のこと』が何なのかわからない時は」。
彼女は結局、その「他のこと」を定義することはなかった。代わりに、それが何であり得るかを挑戦し続けた。
日本が学ぶべき「型破り」の価値
オハラの死は、型にはまりがちな日本のエンターテインメント業界にも示唆を与える。彼女は決して「美しい女優」でも「典型的なコメディエンヌ」でもなかった。しかし、その「型破り」さこそが、世代を超えて愛される理由だった。
日本では「空気を読む」ことが重視されがちだが、オハラは逆に「空気を変える」ことで成功した。『ザ・ラスト・オブ・アス』での辛辣な皮肉から『ザ・スタジオ』での同情すべき重役まで、2023年にエミー賞にノミネートされた両作品は、70歳を超えてなお挑戦を続ける姿勢を示していた。
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