サムスンがDRAM市場首位奪還、韓国半導体の復活劇
サムスン電子が2025年第4四半期にDRAM市場シェア36.6%で首位奪還。SK Hynixとの熾烈な競争の背景と日本半導体産業への示唆を分析
191億ドル。これはサムスン電子が2025年第4四半期に記録したDRAM売上高だ。前四半期比40.6%という急激な増加により、同社は36.6%の市場シェアを獲得し、DRAM市場の首位に返り咲いた。
韓国半導体の明暗を分けた数字
業界調査会社Omdiaのデータによると、サムスン電子の急成長はSK Hynixとの差を明確にした。SK Hynixも前四半期比25.2%の成長で172億ドルの売上を記録したが、市場シェアは32.9%にとどまった。
この逆転劇の背景には、AI需要の急拡大がある。特に高帯域メモリ(HBM)分野での技術革新が、両社の命運を左右している。サムスンは世界初のHBM4の商用出荷を開始し、技術的優位性を確立した。
日本企業への波及効果
韓国勢の復活は、日本の半導体関連企業にとって複雑な意味を持つ。ソニーのCMOSセンサーや東京エレクトロンの製造装置など、韓国半導体メーカーとの取引関係が深い企業にとっては追い風となる可能性が高い。
一方で、キオクシア(旧東芝メモリ)のようなメモリメーカーにとっては、韓国勢の技術的優位性拡大は脅威となりうる。特にAI向けメモリ市場での競争激化は、日本企業の戦略見直しを迫るかもしれない。
アジア半導体エコシステムの変化
この市場動向は、アジア全体の半導体エコシステムにも影響を与える。台湾のTSMCが製造を担い、韓国がメモリを供給し、日本が材料と装置を提供するという分業体制が、AI時代により強固になっている。
しかし、地政学的リスクも無視できない。米中技術戦争の激化により、サプライチェーンの多様化圧力が高まる中、各国企業は新たな協力関係を模索している。
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