SaaSpocalypse恐怖と戦う:セールスフォースが見せた生存戦略
AIエージェントの台頭でSaaS業界に「終末論」が浮上する中、セールスフォースが見せた対応策とは。日本企業への影響を考える。
72兆円。これはセールスフォースが抱える未実行契約の総額です。しかし、この巨額の数字も、いま同社を襲う「SaaSpocalypse(SaaS終末論)」の恐怖を完全に払拭することはできませんでした。
AIエージェントがもたらす脅威
2月26日に発表された第4四半期決算で、セールスフォースは107億ドルの売上高(前年同期比13%増)を記録しました。年間売上高は415億ドルに達し、来年度は458億〜462億ドルの成長を見込んでいます。数字だけ見れば申し分ない業績です。
しかし、投資家の視線は冷たいものでした。理由は明確です。OpenAIをはじめとするAI企業が開発する「AIエージェント」が、従来のSaaS企業のビジネスモデルを根底から覆す可能性があるからです。
従来のSaaSは「従業員1人あたり月額料金」で収益を上げてきました。しかし、AIエージェントが人間の作業を代替するようになれば、企業が必要とする「シート数」は激減します。まさに既存モデルの存在意義が問われる状況です。
総力戦で挑んだ決算発表
この危機感を受けて、セールスフォースのCEOマーク・ベニオフ氏は異例の対応を取りました。通常の決算説明会を「ポッドキャスト風インフォマーシャル」に変え、3社の顧客CEOを登場させてAIエージェント製品への愛を語らせたのです。
同時に、同社は株主還元策も大幅に強化しました。配当を6%近く増額し、500億ドルの自社株買いプログラムを発表。まさに「あらゆる手段を使った」防衛戦略でした。
新指標「AWU」の意味
技術面でもセールスフォースは対抗策を打ち出しました。新たに「Agentic Work Units(AWU)」という指標を導入したのです。
従来のAI業界では「トークン数」(AI処理量の単位)で成果を測定していました。しかしセールスフォースは、「実際にタスクを完了した回数」を測る新指標で差別化を図ろうとしています。「詩を書くことはできても、企業にとって本当に価値があるのは記録への書き込みです」と同社幹部は説明しました。
アーキテクチャ戦争の始まり
より深刻なのは、AI時代の「技術スタック支配権」を巡る争いです。セールスフォースは「SaaS企業が上位に位置し、AIモデルは下層の交換可能な部品」という構想を提示しました。
一方、OpenAIは正反対のビジョンを描いています。「AIモデル企業が上位を支配し、SaaS企業は下層のデータベース役割に留まる」というものです。この対立は、単なる技術論争を超えて、今後10年のIT業界の勢力図を決める戦いとなりそうです。
日本企業への示唆
ソニー、トヨタ、任天堂など、日本の大企業の多くがSaaS製品を業務の中核に据えています。この「SaaSpocalypse」論争は、日本企業のDX戦略にも大きな影響を与える可能性があります。
特に、労働力不足に悩む日本社会では、AIエージェントによる業務自動化への期待が高まっています。しかし、それが既存のSaaS投資を無駄にする可能性もあるのです。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
関連記事
AIや暗号通貨が犯罪を容易にする一方、新技術は法執行機関にも強力な武器を提供。プライバシーと安全のバランスをどう取るか。
サムスンが発表したGalaxy S26シリーズは「Agentic AI」を搭載するも、ハードウェア革新は限定的。AI時代の部品コスト上昇で価格も100ドル値上げとなった。
GoogleとSamsungが発表した新しいGemini音声アシスタント機能。10年前の約束がついに実現するのか、それとも再び期待外れに終わるのか。
OpenClawとScraplingの組み合わせが示す、AIエージェント時代のウェブスクレイピング新時代。Cloudflareとの攻防が意味する未来とは?
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加