子どもたちの目の下のクマ——ディリー移民収容施設の現実
テキサス州の移民家族収容施設ディリーで、幼い子どもたちが病気、睡眠不足、栄養不足に苦しんでいる。民間刑務所企業が運営するこの施設の実態と、私たちが問い直すべき問いとは。
「大人よりも目の下のクマがひどい子どもたちがいた」——ディリー移民収容施設を今年退職した元下請け業者は、そう語った。幼い子どもの目の下にクマができることは、ほとんどない。それが日常的に見られるとすれば、何かが深刻に間違っているということだ。
スパイダーマンのリュックと、その後
今年1月、5歳の少年リアム・ラモスの写真がSNSで拡散した。青いウサギの帽子、スパイダーマンのリュック、そして怯えた目——米国移民・関税執行局(ICE)の職員がミネアポリス郊外の自宅前でリアムと父親を拘束する瞬間を捉えた写真は、トランプ政権の大規模強制送還政策を象徴するイメージとなった。
1週間後、2枚目の写真が公開された。テキサス州サンアントニオから南へ約110キロに位置するディリー移民収容施設で、父親の膝の上に横たわるリアムは、顔色が悪く、ぐったりとしていた。母親によると、発熱と嘔吐が続き、食事を拒否しているという。この変貌に、多くの人が衝撃を受けた。
しかし、ジャーナリストのケイトリン・ディッカーソンがアトランティック誌に記したように、この変貌は決して珍しいことではない。彼女はディリーを複数回取材しており、「生き生きとした目の子どもが、うつろな目になっていく」様子を何度も目撃してきた。
エクアドル出身のリアム一家は2024年に渡米し、亡命申請中だった。ハビアス・コーパス(人身保護令状)の申請が通り、写真が拡散して数日後に釈放されたが、同じ境遇にある何百人もの子どもたちは、今もディリーにいる。
「実験」の歴史——なぜこの施設は存在するのか
ディリーの存在は、ある政策的な「実験」の産物だ。ジョージ・W・ブッシュ政権下で始まった移民家族収容は、当初は国境を越えたばかりで行き場のない亡命希望者への一時的な支援として構想された。しかしICEはすぐに、収容を「抑止力」として活用する方針に転換した。
オバマ政権はテキサス州の平坦な荒野にディリーを開設した。トレーラーハウスを並べたオープンな設計は、より人道的とされたが、収容された家族たちは長年にわたり、腐った食事、汚染された水、不十分な医療ケアを訴えてきた。就寝中も消えることのない明るい照明が睡眠を妨げ、夏には気温が30度を超えることもある。
2016年、政府の諮問委員会は家族収容の廃止を全会一致で勧告した。「収容は子どもの最善の利益に決してならない」と報告書は明記した。バイデン政権は2024年夏にディリーを閉鎖したが、トランプ政権は数か月後に再開。450億ドル規模の収容システム拡張の一環として、グアンタナモ湾や軍事基地のテント都市、改装された倉庫とともに、ディリーも復活した。
民間企業の「最も刺激的な時代」
ここで見落とせない視点がある。ディリーを運営するのは、民間刑務所企業のCoreCivicだ。同社は、2024年第4四半期から2025年第4四半期にかけて、ICEからの運営収益が2倍以上に増加したと報告している。前CEOは決算説明会で、これを「32年間のキャリアで最も刺激的な時期のひとつ」と表現した。
また、2019年にICEの長官代行としてディリーを視察したマット・アルベンス氏は、現在、別の民間刑務所企業GEOグループに勤務している。政府と民間の間を行き来するこの「回転ドア」は、収容政策の継続に経済的インセンティブが働いていることを示唆している。
DHSのスポークスパーソンは声明の中で、収容された子どもたちは「適切な医療ケアを受けており、3食の食事、清潔な水、衣服、寝具が提供されている」と述べ、収容は「選択肢のひとつ」であり、家族には自主帰国を促していると説明した。CoreCivicの広報担当者も、「ケアやスタッフ、研修において妥協はない」と反論している。
しかし現場では、別の現実が報告されている。弁護士団体Raicesによると、現在の平均収容期間は約63日間で、最長では5か月近くに及ぶ家族もいる。今年に入り、施設内では麻疹の集団感染が発生。生後18か月の乳児がCOVID、RSV、肺炎、気管支炎を同時に発症して入院し、退院後に施設に戻されたという事例も、連邦訴訟で明らかになっている。
弁護士のベッキー・ウォロジン氏は言う。「耳の感染症のような一般的な小児疾患でも、睡眠不足と栄養不足が重なると危険になる。子どもたちは何度も医務室を訪れて初めて、抗生物質による治療を受けられる」
「抑止力」という論理の限界
トランプ政権はディリーを「抑止力」として位置づけているが、その論理にはすでに矛盾が生じている。かつては国境を越えたばかりの家族が主な収容対象だったが、今では米国内で生活基盤を築いていた家族が、ICEの一斉摘発によって連行されるケースも増えている。裁判所への出頭中や、ICEオフィスでの予約中に拘束された家族もいる。
1997年の連邦裁判所の和解合意(フローレス合意)は、子どもと家族の収容に最低基準を設け、収容期間を20日間に制限している。しかしトランプ政権はこの制限に異議を唱えており、現在の平均収容期間はその3倍以上だ。
民主党のホアキン・カストロ下院議員は今年2月にディリーを視察し、「犯罪者のように閉じ込められ、動物のように扱われている」と報告した。未治療の喘息や虫垂炎を抱えた子どもたちがいたという。
ジャーナリストによる取材はますます困難になっている。ICEは現在、メディアへの施設見学を提供していない。ProPublicaが収容された子どもたちの手紙と写真を公開した後、警備員がクレヨンと紙を没収し始めたとも報告されている。
日本社会が問い直すべきこと
この問題は、遠いアメリカの出来事に見えるかもしれない。しかし日本も、移民・難民政策において重要な転換点に立っている。2023年の入管法改正により、強制送還の要件が緩和され、収容期間の上限が撤廃された。日本の入管施設でも、長期収容中の死亡事例や医療放置の問題が国際社会から批判を受けてきた。
少子高齢化が進む日本では、労働力不足を補うために外国人労働者の受け入れ拡大が議論されている一方で、難民認定率は依然として1%前後と極めて低い。「どのような人を、どのような条件で受け入れるか」という問いは、日本社会にとっても他人事ではない。
子どもの権利条約を批准した国として、日本は移民・難民の子どもの処遇についても国際的な責任を負っている。ディリーで起きていることは、「収容」という手段が子どもに何をするかを、具体的に示している。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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