1,250億ドル運用の不動産王、トークン化への挑戦を規制が阻む
スターウッド・キャピタルのバリー・スターンライト氏が語る、不動産トークン化の可能性と米国規制の壁。2035年までに400兆円市場へ成長予測も
1,250億ドル(約18兆円)の資産を運用する不動産王が、ブロックチェーン技術への転換を望んでいるにもかかわらず、規制の壁に阻まれている。
スターウッド・キャピタル・グループの創設者であるバリー・スターンライト氏は、パームビーチで開催されたワールド・リバティ・フォーラムで「今すぐにでもやりたいし、準備もできている」と語った。彼が指すのは、不動産などの実物資産をブロックチェーン上のトークンに変換する「トークン化」だ。
巨大市場の変革への期待
不動産のトークン化とは、物理的な資産の所有権をブロックチェーン上のデジタルトークンに変換し、取引可能にする技術である。これまで流動性が低かった不動産市場に、新たな資金調達手段と投資機会をもたらす可能性がある。
デロイトの予測によると、トークン化された不動産市場は2024年の0.3兆ドルから2035年には4兆ドル(約580兆円)まで拡大する見込みだ。これは年平均成長率27%という驚異的なペースを意味する。
「トークン化された不動産は、新しい市場と商品への道を開くだけでなく、運営の非効率性、投資家に課される高い管理コスト、小口投資家の参加制限といった課題を克服する機会を不動産組織に提供する」と同社は分析している。
技術への確信と規制への不満
スターンライト氏は技術そのものに強い確信を示している。「この技術は優れている。これが未来だ」と断言し、現在のトークン化の発展段階を人工知能と比較して「物理的な世界では、AIよりもさらに初期段階にある」と評価した。
彼は「世界にとって素晴らしいことだが、世界がそれに追いつく必要がある」と述べ、技術の進歩に対する規制の遅れを指摘した。
一方で、一部の企業はすでに小規模ながら実装を進めている。プロピー社は昨年、1億ドルの拡張計画を発表し、米国全土の中規模不動産権利証書会社を買収して業界プロセスの効率化を目指している。
日本への示唆
日本の不動産業界にとって、この動きは特に注目すべき意味を持つ。高齢化社会で不動産の流動性確保が課題となる中、トークン化は相続問題や空き家対策の新たな解決策となる可能性がある。
三井不動産や三菱地所といった大手デベロッパーも、デジタル変革の波に乗り遅れないよう、ブロックチェーン技術への対応を検討せざるを得なくなるだろう。
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