トランプの新制裁で追い詰められるキューバ、ベネズエラ軍事介入の余波
トランプ政権がキューバ向け石油取引国への関税を警告。ベネズエラ軍事介入後、エネルギー危機に陥るキューバの現状と国際社会への波紋を分析
1月3日のベネズエラ軍事介入で、カリブ海の小島国キューバが予想外の打撃を受けている。ドナルド・トランプ米大統領が30日、キューバに石油を販売する国々に追加関税を課すと警告したのだ。
今月初旬、米軍はベネズエラの首都カラカスでニコラス・マドゥロ大統領とその妻を「血なまぐさい夜間軍事作戦」で拘束した。この作戦でキューバの軍・情報機関メンバー32人が死亡し、キューバは重要な石油供給源を失った。
電力危機に陥るハバナ市民
「朝6時から停電が続いている。食べ物が腐ってしまう」。ハバナ市民のイェニア・レオンさんはアルジャジーラの取材にこう答えた。キューバは現在、燃料不足による計画停電に苦しんでいる。
89歳の元グラフィックデザイナー、ラサロ・アルフォンソさんは「これは戦争だ」と語る。ソ連崩壊後の1990年代の経済危機「特別期間」を生き抜いた彼でさえ、現在の状況を「それより悪い」と評価する。
「キューバに足りないのは、爆弾が降ってくることだけだ」とアルフォンソさんは皮肉を込めて語った。
メキシコとロシアが頼みの綱
ベネズエラからの石油供給が断たれた今、キューバの石油輸入の44%をメキシコが、33%をベネズエラが(介入前まで)、10%をロシアが担っていた。残りはアルジェリアなどからの調達だ。
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は、キューバへの石油供給停止が「広範囲にわたる人道危機」を引き起こす可能性があると警告。一方で、キューバ向け石油はメキシコ生産量の1%に過ぎないとも明かした。
「我々の関心事は、キューバ国民が苦しまないことだ」とシェインバウム大統領は述べ、米国務省との接触を指示したことを明らかにした。
64年続く経済封鎖の新段階
米国は1962年からキューバに対してほぼ全面的な貿易禁輸措置を課してきた。これはフィデル・カストロ政権打倒を目的としたもので、米国史上最長の一方的制裁政策だ。
国連の特別報告者アレナ・ドゥハンは昨年11月、この制裁が「生活のあらゆる側面に重大な影響」を与えているとして、即座の解除を求めている。食料、医薬品、電力、水、必要不可欠な機械や部品の不足に加え、医療従事者、エンジニア、教師などの熟練労働者の国外流出が続いているという。
日本企業への影響は限定的だが
日本とキューバの貿易関係は限定的で、直接的な影響は小さいとみられる。しかし、中南米地域での米国の軍事介入拡大は、同地域に進出する日本企業にとって新たなリスク要因となる可能性がある。
特に、資源開発や製造業で中南米に投資している日本企業は、地政学的リスクの再評価を迫られるかもしれない。
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