パランティア、AI需要で売上70%増の快進撃―防衛予算拡大の恩恵者
パランティアが第4四半期決算で予想を大幅上回る業績を発表。AI需要と米国防衛予算拡大が追い風となり、株価は時間外取引で5%上昇。
14.1億ドル。これは、AI分析ソフトウェア企業パランティア・テクノロジーズが発表した第4四半期売上高です。前年同期比70%という驚異的な成長を記録し、ウォール街の予想を大幅に上回りました。
政府部門が牽引する成長エンジン
パランティアの快進撃を支えているのは、米国政府からの旺盛な需要です。同社のAI分析ツールは、国防総省、国税庁、国土安全保障省など、幅広い政府機関で採用されています。
特に注目すべきは政府部門の成長率66%という数字です。CEOのアレックス・カープ氏は「アメリカはより致命的で、より自信を持ち、敵対勢力から、そして率直に言えば同盟国からも差別化されている」と述べ、米国の軍事的優位性確保における同社の役割を強調しました。
昨夏には米陸軍との最大100億ドルの契約を締結。12月には海軍との4.48億ドルの造船生産加速契約も発表しており、防衛分野での存在感を急速に拡大しています。
商業部門でも二桁成長を維持
政府部門だけでなく、商業部門も好調です。米国商業部門の売上は前年比2倍超の5.07億ドルを記録。エヌビディアとの提携発表も、AI分野での競争力向上に寄与しています。
カープ氏は「これは私が知る限り、この10年間でテック業界最高の業績だ」と自信を見せました。実際、純利益は6.08億ドル(1株当たり24セント)と、前年の7900万ドルから大幅に改善しています。
2026年度見通しも強気
同社は2026年第1四半期の売上見通しを15.32億~15.36億ドルと発表。市場予想の13.2億ドルを大きく上回ります。年間売上見通しも71.82億~71.98億ドルと、予想の62.2億ドルを15%以上上回る強気な数字を示しました。
ただし、株価は年初来15%下落しており、高いバリュエーションへの懸念も存在します。昨年11月には著名投資家マイケル・バリー氏が同社株の空売りポジションを明かし、AI株全般への警戒感も高まっています。
日本企業への示唆
パランティアの成功は、日本の防衛関連企業にとって重要な示唆を含んでいます。日本政府も防衛予算を過去最高水準に引き上げており、AI技術を活用した防衛システムの需要が高まることが予想されます。
三菱重工業、川崎重工業、IHIなどの防衛関連企業は、AI分析ツールの導入や開発パートナーシップの検討が急務となるでしょう。また、NECや富士通といったIT企業にとっても、政府向けAIソリューションは新たな成長領域となる可能性があります。
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