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OpenAI、ミッション文から「安全に」を削除—利益追求への転換点
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OpenAI、ミッション文から「安全に」を削除—利益追求への転換点

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OpenAIが2024年のIRS書類でミッション文から「安全に」を削除。非営利から営利企業への転換で、AI安全性への姿勢が変化。その背景と意味を分析。

13兆円の企業価値を持つOpenAIが、静かに重要な変化を遂げていた。2024年のIRS(米国内国歳入庁)提出書類で、同社は創設以来掲げてきたミッション文から「安全に(safely)」という単語を削除したのだ。

ChatGPTメーカーの静かな変化

OpenAIの2022年の書類では、ミッションを「財務的リターンを生み出す必要に制約されることなく、人類に安全に利益をもたらす汎用人工知能(AI)を構築すること」と記載していた。

しかし2024年の書類では「人工汎用知能が全人類に利益をもたらすことを確実にする」に変更。「安全に」と「財務的制約を受けない」という表現が消えた。

非営利組織のガバナンス研究者であるアルヌール・エブラヒム教授は、この変更を「大きく報道されていない重要な転換点」と指摘する。OpenAIは現在、製品の安全性に関する複数の訴訟に直面しており、心理的操作や過失致死などの訴えを受けている。

非営利から営利への道のり

OpenAIは2015年、科学研究所として設立された。当初の目的は利益ではなく、研究成果を公開し社会に貢献することだった。

転機は2019年。サム・アルトマンCEOの下で営利子会社を設立し、マイクロソフトから10億ドルの投資を受けた。2024年までにその投資額は130億ドルを超えている。

2024年後半の資金調達ラウンドでは66億ドルを調達したが、条件があった。OpenAIが従来の営利企業に転換しない限り、この資金は債務となるのだ。

新しい企業構造の誕生

2025年10月、OpenAIはカリフォルニア州とデラウェア州の司法長官と合意し、新構造への移行を完了した。

新体制では、非営利のOpenAIファウンデーションが営利企業OpenAIグループ26%の株式を保有。マイクロソフト27%を所有し、残りは従業員と他の投資家が保有する。

実質的に、非営利理事会は企業統制の4分の3を手放したことになる。

項目旧構造新構造
組織形態非営利+営利子会社非営利財団+営利PBC
投資家の理事会参加なし可能
利益上限あり(100倍)なし
安全への言及ミッションに明記削除

日本企業への示唆

OpenAIの変化は、日本のAI開発企業にとって重要な教訓を提供する。ソニートヨタNTTなど、AI技術に投資する日本企業は、技術革新と社会的責任のバランスをどう取るかという課題に直面している。

特に日本では「技術の社会実装」において安全性が重視される傾向がある。OpenAIのアプローチは、日本市場での受容性に影響を与える可能性がある。

投資家の期待と安全性のジレンマ

新構造により、OpenAIは追加投資を呼び込むことに成功した。ソフトバンク410億ドルを投資し、さらに300億ドルの追加投資を検討中だ。アマゾンエヌビディアマイクロソフトからも最大600億ドルの投資が見込まれている。

企業価値は2025年3月の3000億ドルから5000億ドル超に急上昇。IPO(新規株式公開)への道筋も見えてきた。

しかし、この成功は新たな課題を生む。株主への利益還元圧力が高まる中、安全性への投資をどう維持するかが問われている。

他の選択肢は存在したか

エブラヒム教授は、より公共の利益に適した代替案があったと指摘する。

1992年に営利転換したヘルスネットでは、株式の80%を別の非営利財団に移管することが義務付けられた。OpenAIとは対照的に、財団が過半数の統制を維持した。

フィラデルフィア・インクワイアラー紙も参考事例だ。2016年に営利のパブリック・ベネフィット・コーポレーションとなったが、非営利のレンフェスト研究所が所有している。これにより、投資を呼び込みながらも、地域コミュニティへの奉仕という目的を維持している。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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