エヌビディア、77%成長予測で競争の新章へ
エヌビディアが第4四半期に77%の売上成長を予測。Vera Rubin新システムの出荷開始で、AI競争が新たな局面に突入。日本企業への影響は?
780億ドル。エヌビディアが来四半期に予測する売上高は、アナリスト予想を60億ドルも上回った。世界最大の時価総額企業が、再び成長を加速させている。
11四半期連続の快進撃
エヌビディアは水曜日の決算発表で、今四半期の売上高が前年同期比約77%増の780億ドルに達すると予想を発表した。これは2025年1月期(78%増)以来、最も高い成長率となる。第4四半期の実績も73%増と好調で、データセンター事業が全売上の91%超を占めている。
この驚異的な成長の背景には、AI需要の急拡大がある。OpenAI、Anthropic、メタといった大手テック企業が、AI基盤の構築競争を繰り広げているためだ。CFOのコレット・クレス氏は「今週初めに最初のVera Rubinサンプルを顧客に出荷した」と明かし、すべてのモデル構築企業とクラウドプロバイダーが最終的にこのシステムを導入すると予想していると述べた。
次世代システム「Vera Rubin」の衝撃
Vera Rubinは、現在のGrace Blackwellに続くエヌビディアの次世代ラックスケールシステムだ。72個の次世代Rubin GPUを搭載し、前世代と比較してワットあたり10倍の性能向上を実現するという。
「この新しいAIの世界では、コンピュート=収益だ」。CEOジェンセン・ファン氏は決算説明会でこの言葉を何度も繰り返した。彼が指すのは、単純な生成AIを超えた「エージェンシックAI」の時代の到来だ。AnthropicのClaude CoworkやOpenAIのOpenClawのように、テキスト入力だけで複雑なビジネスアプリケーションを作成・実行できる技術が急速に普及している。
日本企業への波及効果
このAI競争の激化は、日本企業にとって機会と脅威の両面を持つ。ソニーは既にAIを活用した画像センサーやエンターテインメント事業で先行しているが、エヌビディアの技術進歩により、さらなる革新の可能性が開かれる。
一方、トヨタのような製造業では、エージェンシックAIによる生産効率化や自動運転技術の発展が期待される。しかし、技術導入コストの上昇や、AI人材の確保という課題も浮上している。
任天堂のようなゲーム企業にとっては、AI生成コンテンツの可能性と、創造性の本質をめぐる新たな議論が始まっている。
競争の新たな構図
エヌビディアの独走は永続的ではない。AMDは今年後半に初のラックスケールAIシステムHeliosをリリース予定で、メタは既に6ギガワット分のAMD GPUの導入を約束している。
さらに重要なのは、AmazonやGoogleといった最大顧客が自社製AIチップの開発を進めていることだ。エヌビディア自身も年次報告書で「顧客が内製ソリューションを開発するリスク」を挙げている。
中国市場については不確実性が残る。トランプ大統領が1月にエヌビディアのH200チップの中国向け販売承認を示唆し、米政府が売上の25%を徴収する方針を表明したものの、実際の収益は計上されていない。ファン氏は中国のAI市場が2-3年で500億ドル規模に達する可能性があり、これを逃すことは「途方もない損失」だと述べていた。
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