エヌビディア株価急落の裏で進む「AI帝国」の地殻変動
エヌビディアが好決算を発表したにも関わらず株価が6%下落。OpenAIやMetaが代替チップに注目する中、AI覇権争いの新局面が始まっている。
6%の株価下落。好決算を発表したエヌビディアが直面している現実だ。売上高は前年同期比73%増の680億ドル、次四半期も77%成長を予想する絶好調な数字を発表したにも関わらず、投資家たちは別のシナリオを描き始めている。
好決算なのに株価下落という矛盾
ジェンセン・ファンCEOは「コンピュート需要が急上昇している」と宣言したが、市場の反応は冷ややかだった。エヌビディア株は2日連続で下落し、週間で6%の下げとなった。これは昨年11月以来の急落幅だ。
背景にあるのは、テック大手の設備投資がピークに達するという懸念だ。アナリストたちは今年度の65%成長の後、来年以降は30%、13%、14%と成長率が大幅に鈍化すると予測している。
顧客が示す「脱エヌビディア」の動き
金曜日、OpenAIは衝撃的な発表を行った。長年エヌビディアのGPUに依存してきた同社が、アマゾンのTrainium AIチップの2ギガワット分の容量を使用すると明らかにしたのだ。これはOpenAIが1100億ドルの資金調達を完了し、アマゾンが500億ドル、エヌビディアが300億ドルを出資する中での決定だった。
「これはアマゾンのカスタムAIシリコン戦略にとって最大の検証であり、OpenAIにエヌビディアの供給制約と価格決定力に対する真の保険を与える」と、ムーア・インサイツ・アンド・ストラテジーのパトリック・ムーアヘッドCEOは分析した。
Metaも同様の動きを見せている。火曜日にはAMDのInstinct GPUを最大6ギガワット使用することを発表。さらに木曜日には、GoogleのTensor Processing Unitsとの数十億ドル規模の契約を締結したと報じられた。
日本企業への波及効果
一方で、OpenAIはエヌビディアとの関係を完全に断つわけではない。次世代Vera Rubin GPUで5ギガワットの計算能力を使用すると発表している。これは既存のエヌビディアGPUに加えてのことだ。
この動きは日本の半導体関連企業にも影響を与える可能性がある。エヌビディアの成長鈍化は、同社向けに部品を供給する日本企業の業績にも影響するだろう。一方で、AI競争の多様化は新たなビジネスチャンスを生む可能性もある。
ソニーのイメージセンサーや東京エレクトロンの製造装置など、AI関連の日本企業は顧客の多様化に対応する必要に迫られている。
投資家の視点分裂
今週の下落により、エヌビディア株は年初来で16%下落している。しかし、一部のアナリストはこれを買い場と見ている。ジェフリーズのアナリストは「投資家がこれらのAI銘柄をより前向きに見る時期は分からないが、株価は安くなり続けており、いずれは資金の回帰があると信じている」と述べた。
Broadcomも今週5%下落している。同社はGoogle向けにカスタムチップを製造しており、水曜日に第1四半期決算を発表予定だ。
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